ふるさと納税の上限額の計算方法
ふるさと納税(都道府県・市区町村への寄附)は、寄附額から2,000円を引いた額が、所得税と住民税から3つに分けて控除されます。
①〜③の合計がちょうど「寄附額 − 2,000円」になるのは、③が上限に達しないときだけです。上限を超えて寄附すると、超えた分は自己負担になります。そのため上限額は次の式で逆算できます。
(90% − 所得税率 × 1.021) を特例控除割合といい、住民税の「課税総所得金額 − 人的控除差調整額」で決まります。人的控除差調整額は、所得税と住民税の人的控除の差(基礎控除の5万円など)に、所得税の基礎控除額 − 48万円を加えた額です。令和8年分は所得税の基礎控除が最大104万円なので、多くの人は所得税の課税所得とほぼ同じ金額で割合が決まります。
| 課税総所得金額 − 人的控除差調整額 | 特例控除割合 |
|---|---|
| 0円未満 | 90% |
| 195万円以下 | 84.895% |
| 195万円超 330万円以下 | 79.79% |
| 330万円超 695万円以下 | 69.58% |
| 695万円超 900万円以下 | 66.517% |
| 900万円超 1,800万円以下 | 56.307% |
| 1,800万円超 4,000万円以下 | 49.16% |
| 4,000万円超 | 44.055% |
計算例(独身・給与500万円・社会保険料75万円)
| 給与所得(給与所得控除後) | 3,560,000円 |
| 所得税の課税所得(基礎控除104万円) | 1,770,000円(税率5%) |
| 住民税の課税総所得(基礎控除43万円) | 2,380,000円 |
| 住民税の所得割額(調整控除2,500円を引いた後) | 235,500円 |
| 特例分の上限(× 20%) | 47,100円 |
| 上限額 = 47,100 ÷ 84.895% + 2,000 | 57,000円 |
2025年(令和7年)中の寄附なら、所得税の課税所得が210万円を超えて税率10%(特例控除割合79.79%)の区分になり、上限は約6.1万円でした。2026年は所得税が減った分、特例控除割合が上がり、上限は少し下がります(住民税の所得割額は変わりません)。
年収・家族構成別の早見表(2026年中の寄附)
給与だけの人で、社会保険料を給与の15%、ほかの所得控除(生命保険料・iDeCo・医療費など)はなしとした目安です(単位: 円・1,000円未満切捨て)。「夫婦」は配偶者の収入がなく配偶者控除を受ける場合、「共働き」は配偶者控除を受けない場合です。高校生は一般の扶養親族、大学生は特定扶養親族として本人が扶養控除を受けるものとし、16歳未満の子は上限に影響しません。
| 給与収入 | 独身・共働き | 夫婦(配偶者の収入なし) | 共働き+高校生 | 夫婦+高校生 | 共働き+大学生+高校生 | 夫婦+大学生+高校生 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 300万円 | 28,000 | 19,000 | 19,000 | 11,000 | 6,000 | — |
| 400万円 | 42,000 | 33,000 | 33,000 | 25,000 | 21,000 | 12,000 |
| 500万円 | 57,000 | 49,000 | 49,000 | 40,000 | 36,000 | 28,000 |
| 600万円 | 77,000 | 69,000 | 69,000 | 57,000 | 54,000 | 43,000 |
| 700万円 | 108,000 | 86,000 | 86,000 | 78,000 | 75,000 | 66,000 |
| 800万円 | 129,000 | 120,000 | 120,000 | 110,000 | 93,000 | 85,000 |
| 900万円 | 152,000 | 143,000 | 141,000 | 132,000 | 128,000 | 119,000 |
| 1,000万円 | 177,000 | 167,000 | 163,000 | 153,000 | 150,000 | 140,000 |
| 1,200万円 | 236,000 | 236,000 | 221,000 | 218,000 | 199,000 | 196,000 |
| 1,500万円 | 369,000 | 369,000 | 352,000 | 352,000 | 336,000 | 336,000 |
| 2,000万円 | 520,000 | 520,000 | 503,000 | 503,000 | 487,000 | 487,000 |
年収1,000万円を超えると社会保険料は15%より低くなることが多く、その場合の上限は表より高くなります。正確な額は上のシミュレーションに源泉徴収票の金額を入れて確かめてください。
上限を超えないための注意
- 1月〜12月の寄附の合計で判定します。年末の寄附は、決済日(入金日)がその年の12月31日までかどうかに注意してください
- ワンストップ特例は、確定申告をしない人が寄附先5自治体以内のときに使えます。6自治体以上、医療費控除や住宅ローン控除(1年目)で確定申告する人、個人事業主は確定申告で寄附金控除を申告します
- 年の途中で年収の見込みが変わった人(転職・賞与の増減など)は、見込み額で計算し直してください
- 住宅ローン控除・配当控除などの税額控除を受けると、住民税の所得割額が減り、上限が下がることがあります
よくある質問
2026年はふるさと納税の上限が下がりますか?
住民税の所得割額は変わらないため、多くの人は大きく変わりません。ただし令和8年分は所得税の基礎控除が最大104万円になったため、所得税率の区分が下がった人(例: 独身・年収500万円で10%→5%)は特例控除割合が上がり、上限が数千円下がります。
ワンストップ特例と確定申告で上限は変わりますか?
上限額は同じです。ワンストップ特例では、所得税から控除される分も含めて翌年度の住民税から引かれます(申告特例控除)。
個人事業主も計算できますか?
はい。「給与以外の所得」に事業所得(収入 − 経費 − 青色申告特別控除)を、社会保険料に国民年金・国民健康保険料の年額を入れてください。個人事業主はワンストップ特例を使えないので、確定申告で寄附金控除を申告します。
上限を超えて寄附するとどうなりますか?
超えた分は控除されず、自己負担が2,000円より増えます。損をするわけではありませんが、返礼品の価値(寄附額の3割以下)を考えると、上限の範囲で寄附するのが一般的です。
出典
- 総務省 ふるさと納税ポータル 税金の控除について
- 名古屋市 寄附金税額控除(特例控除額の割合・人的控除差調整額)
- 名古屋市 調整控除
- 八尾市 令和9年度から適用される主な税制改正等(給与所得控除の最低額74万円など)
- 国税庁 No.1199 基礎控除
- 国税庁 No.1150 一定の寄附金を支払ったとき(寄附金控除)
- 計算方法の解説(ISZ GROUP): 税金・経理の解説
更新履歴
- 2026/10/24: 公開(令和8年分の所得税・令和9年度の住民税。基礎控除104万円・給与所得控除の最低74万円を反映)
このツールは公表された算式・料率による一般的な計算で、個別の税務相談に代わるものではありません。料率・税額表は改定されることがあります。実際の申告・納付・給与計算では、国税庁などの最新の資料をご確認のうえ、専門家にご相談ください。計算は入力した端末の中だけで行い、入力内容は送信・保存しません。