年末調整の計算の流れ
年末調整は、1年間の給与・賞与から源泉徴収した税額の合計と、その年の本来の税額(年調年税額)との差を、12月の給与などで精算する手続きです。計算は次の順に行います。
所得税の税率(速算表)
| 課税給与所得金額 | 税率 | 控除額 |
|---|---|---|
| 1,949,000円以下 | 5% | 0円 |
| 1,950,000円〜3,299,000円 | 10% | 97,500円 |
| 3,300,000円〜6,949,000円 | 20% | 427,500円 |
| 6,950,000円〜8,999,000円 | 23% | 636,000円 |
| 9,000,000円〜17,999,000円 | 33% | 1,536,000円 |
| 18,000,000円〜 | 40% | 2,796,000円 |
年末調整の対象は給与の収入金額が2,000万円以下の人です。4,000万円超の45%の区分は年末調整では使いません。
計算例(令和8年分・給与収入480万円・社会保険料72万円・源泉徴収済み12万円)
| 給与所得(4,800,000円 × 80% − 440,000円) | 3,400,000円 |
| 社会保険料控除 | 720,000円 |
| 基礎控除(合計所得489万円以下) | 1,040,000円 |
| 課税給与所得金額 | 1,640,000円 |
| 算出所得税額(× 5%) | 82,000円 |
| 年調年税額(82,000円 × 102.1% = 83,722円 → 100円未満切捨て) | 83,700円 |
| 還付する額(120,000円 − 83,700円) | 36,300円 |
令和8年分の主な改正点
令和8年度税制改正は令和8年12月1日に施行され、令和8年分の所得税から適用されます。11月までの毎月の源泉徴収は従来どおりで、12月の年末調整で改正後の金額により1年分を精算します。
| 項目 | 令和8年分 | 令和7年分 |
|---|---|---|
| 基礎控除(合計所得489万円以下) | 104万円 | 132万円以下 95万円/336万円以下 88万円/489万円以下 68万円 |
| 基礎控除(489万円超655万円以下) | 67万円 | 63万円 |
| 基礎控除(655万円超2,350万円以下) | 62万円 | 58万円 |
| 給与所得控除の最低保障額 | 74万円 | 65万円 |
| 配偶者・扶養親族の所得要件 | 62万円以下(給与のみ収入136万円以下) | 58万円以下(同123万円以下) |
| 配偶者特別控除の対象 | 62万円超133万円以下 | 58万円超133万円以下 |
| 特定親族特別控除の対象 | 62万円超123万円以下 | 58万円超123万円以下 |
| 勤労学生の所得要件 | 89万円以下 | 85万円以下 |
令和8・9年分は、23歳未満の扶養親族がいる人の新生命保険料に係る一般生命保険料控除の上限が6万円に引き上げられています(3つの生命保険料控除の合計の上限12万円は同じ)。
給与所得の端数(別表第五)
給与の収入金額が660万円未満の場合、給与所得は算式ではなく所得税法別表第五(年末調整等のための給与所得控除後の給与等の金額の表)で求めます。収入金額を4,000円単位に切り捨ててから計算するため、算式で直接計算した額と数百円ずれることがあります。令和8年分は、収入金額が 219万1,000円以上 219万3,000円未満なら 145万1,000円、219万3,000円以上 219万6,000円未満なら 145万3,000円、219万6,000円以上 220万円未満なら 145万6,000円とされています(国税庁 No.1410)。例えば給与収入 2,195,000円・社会保険料 330,000円・源泉徴収済み 20,000円なら、給与所得 1,453,000円、課税給与所得金額 83,000円で、年調年税額は 4,200円です。
配偶者控除・配偶者特別控除
本人の合計所得金額が1,000万円以下で、配偶者の合計所得金額が62万円以下(令和7年分は58万円以下)なら配偶者控除(38万円、70歳以上は48万円)、62万円超133万円以下なら配偶者特別控除(最高38万円)です。本人の合計所得金額が900万円を超えると控除額が段階的に減り、1,000万円を超えると受けられません。
| 配偶者の合計所得金額(令和8年分) | 本人900万円以下 | 950万円以下 | 1,000万円以下 |
|---|---|---|---|
| 62万円以下(配偶者控除) | 38万円 | 26万円 | 13万円 |
| 62万円以下・70歳以上(老人控除対象配偶者) | 48万円 | 32万円 | 16万円 |
| 62万円超 95万円以下 | 38万円 | 26万円 | 13万円 |
| 95万円超 100万円以下 | 36万円 | 24万円 | 12万円 |
| 100万円超 105万円以下 | 31万円 | 21万円 | 11万円 |
| 105万円超 110万円以下 | 26万円 | 18万円 | 9万円 |
| 110万円超 115万円以下 | 21万円 | 14万円 | 7万円 |
| 115万円超 120万円以下 | 16万円 | 11万円 | 6万円 |
| 120万円超 125万円以下 | 11万円 | 8万円 | 4万円 |
| 125万円超 130万円以下 | 6万円 | 4万円 | 2万円 |
| 130万円超 133万円以下 | 3万円 | 2万円 | 1万円 |
扶養控除
控除対象扶養親族は、12月31日現在で16歳以上、合計所得金額が62万円以下(令和7年分は58万円以下)の親族です。一般は38万円、19歳〜22歳の特定扶養親族は63万円、70歳以上の老人扶養親族は48万円(同居老親等は58万円)です。16歳未満の扶養親族は扶養控除の対象になりませんが、障害者控除の対象にはなります。19歳〜22歳で合計所得金額が62万円を超え123万円以下の親族は、特定親族特別控除(最高63万円)の対象で、このツールには含めていません。
よくある質問
年末調整の還付金はいつ受け取れますか?
多くの会社では12月の給与(または翌年1月の給与)で、源泉徴収税額の超過額が還付されます。会社は、その月に納付する源泉所得税から還付額を差し引いて精算します。
年末調整の対象にならない人は?
給与の収入金額が2,000万円を超える人、扶養控除等申告書を提出していない人(乙欄の人)、年の中途で退職して再就職していない人(12月中の退職などを除く)、災害減免法の適用を受けた人などは対象外です。
住宅ローン控除が年税額より多い場合は?
所得税から引ききれない額は、翌年度の住民税(所得税の課税総所得金額等の5%・最高9.75万円など)から控除される場合があります。年末調整では所得税の算出税額までしか控除しません。
配偶者がパートの場合、いくらまでなら配偶者控除ですか?
令和8年分は、配偶者の収入が給与だけなら136万円以下(合計所得金額62万円以下)で配偶者控除、207万円以下(同133万円以下)までなら配偶者特別控除の対象です。本人の合計所得金額が1,000万円を超える場合はどちらも受けられません。
このツールで計算できない控除はありますか?
特定親族特別控除、所得金額調整控除(子ども・特別障害者等を有する人で給与収入850万円超)、前年以前の住宅ローン控除の再計算などは含めていません。年末調整では受けられない医療費控除・寄附金控除は確定申告で受けます。
出典
- 国税庁 令和8年分 年末調整のしかた
- 国税庁 No.2662 年末調整のしかた
- 国税庁 No.1410 給与所得控除
- 国税庁 No.1199 基礎控除
- 国税庁 No.2260 所得税の税率
- 国税庁 No.1191 配偶者控除
- 国税庁 No.1195 配偶者特別控除
- 国税庁 No.1180 扶養控除
- 計算方法の解説(ISZ GROUP): 所得税と年末調整の計算方法(令和8年分)— 給与所得控除・基礎控除・年収の壁
- 計算方法の解説(ISZ GROUP): 法人の申告・納付期限の一覧 — 法人税・消費税・源泉所得税・法定調書・償却資産・社会保険と延滞税
更新履歴
- 2026/10/23: 公開(令和8年分・令和7年分の年調年税額、配偶者控除・配偶者特別控除、扶養控除、障害者・寡婦・ひとり親・勤労学生、住宅借入金等特別控除)
このツールは公表された算式・料率による一般的な計算で、個別の税務相談に代わるものではありません。料率・税額表は改定されることがあります。実際の申告・納付・給与計算では、国税庁などの最新の資料をご確認のうえ、専門家にご相談ください。計算は入力した端末の中だけで行い、入力内容は送信・保存しません。