会議費と交際費の分かれ目(1人1万円基準)
得意先・仕入先など事業関係者との飲食費は原則として交際費等ですが、1人当たり10,000円以下の飲食費は、書類の保存を条件に交際費等から除かれます(租税特別措置法第61条の4第6項第2号)。令和6年度改正で、令和6年4月1日以後に支出する飲食費から5,000円が10,000円に引き上げられました。
判定の例(税抜経理・店内飲食10%・令和8年)
| 支払額(税込) | 人数 | 1人当たり(税抜) | 判定 |
|---|---|---|---|
| 33,000円 | 3人 | 10,000円 | 交際費等から除かれる |
| 33,011円 | 3人 | 10,003.33円 | 交際費等 |
| 44,000円 | 4人 | 10,000円 | 交際費等から除かれる |
同じ 33,000円・3人でも、税込経理の法人は1人11,000円で判定するため交際費等になります。消費税の経理方式は法人全体で統一しているものに従い、飲食費だけ税抜で判定することはできません。
1万円基準の対象にならない飲食費
- 社内飲食費: 専ら自社の役員・従業員(またはその親族)に対する飲食。金額にかかわらず対象外です
- 書類(年月日、参加者の氏名・名称と関係、人数、金額、店名と所在地)を保存していないもの
- ゴルフ・観劇・旅行などの催事に付随する飲食(催事と一体の費用として扱われ、飲食費に当たりません)や、中元・歳暮として飲食物の詰め合わせを贈る費用
なお、会議に関連して茶菓・弁当などを出す通常の費用は、1万円基準とは別に交際費等から除かれます(会議費)。
交際費等の損金不算入額の計算
| 法人の区分(期末資本金) | 損金に算入できる額 |
|---|---|
| 1億円以下(中小法人) | 次のどちらか有利な方を選択 (1) 定額控除限度額: 年800万円(× 事業年度の月数 ÷ 12)まで (2) 接待飲食費の額の50% |
| 1億円超 100億円以下、大法人の100%子法人など | 接待飲食費の額の50% |
| 100億円超 | なし(全額が損金不算入) |
この特例(定額控除限度額・接待飲食費の50%)は、令和9年3月31日までに開始する事業年度が対象です。定額控除限度額を使うには、確定申告書に明細書(別表十五)を添付します。
計算例(中小法人・12か月)
| 交際費等 | うち接待飲食費 | (1) 定額控除 | (2) 飲食費50% | 損金不算入額 |
|---|---|---|---|---|
| 3,000,000 | 1,000,000 | 0 | 2,500,000 | 0((1)) |
| 10,000,000 | 6,000,000 | 2,000,000 | 7,000,000 | 2,000,000((1)) |
| 20,000,000 | 18,000,000 | 12,000,000 | 11,000,000 | 11,000,000((2)) |
(1)・(2) の列は、それぞれを選んだ場合の損金不算入額です。中小法人は、接待飲食費が1,600万円(800万円の2倍)を超えるときに、(2) の方が有利になることがあります。
よくある質問
1人1万円は税込ですか、税抜ですか?
法人が採用している消費税の経理方式によります。税抜経理なら税抜金額、税込経理(免税事業者を含む)なら税込金額で判定します(国税庁 No.5265)。
1万円を超えたら、超えた分だけが交際費になりますか?
いいえ。1人当たり1万円を超えると、その飲食費の全額が交際費等になります。
社員だけの飲み会は会議費にできますか?
社内の役員・従業員だけの飲食は1万円基準の対象外です。会議に伴う弁当程度の飲食は会議費、全従業員を対象とする忘年会などは福利厚生費になり得ますが、一部の役員・従業員だけの飲食は交際費等になります。
中小法人はどちらの方法を選べばいいですか?
定額控除限度額(年800万円)と接待飲食費の50%の、損金に算入できる額が大きい方を選べます。多くの中小法人は定額控除の方が有利で、接待飲食費が年1,600万円を超える場合に50%の方が有利になることがあります。
出典
- 国税庁 No.5265 交際費等の範囲と損金不算入額の計算
- 国税庁 No.5261 交際費等と福利厚生費との区分
- e-Gov法令検索 租税特別措置法 第61条の4
- 計算方法の解説(ISZ GROUP): 勘定科目の一覧と仕訳の例 — 領収書の仕訳・会議費と交際費の違い(1人1万円)
更新履歴
- 2026/10/23: 公開(1人1万円基準の判定、交際費等の損金不算入額)
このツールは公表された算式・料率による一般的な計算で、個別の税務相談に代わるものではありません。料率・税額表は改定されることがあります。実際の申告・納付・給与計算では、国税庁などの最新の資料をご確認のうえ、専門家にご相談ください。計算は入力した端末の中だけで行い、入力内容は送信・保存しません。