このツールで作る源泉徴収票
給与を支払う会社・個人事業主は、令和8年中に給与を支払ったすべての人について「給与所得の源泉徴収票」を作り、本人(受給者)に交付します。このツールは受給者交付用の各欄の値を、国税庁の様式(令和8年分)の欄の順に求めます。受給者交付用にはマイナンバー(個人番号)・無効区分の欄がなく、配偶者の有無などは「○」で書きます(国税庁「令和8年分 給与所得の源泉徴収票等の法定調書の作成と提出の手引」5〜6ページ)。
| 作るもの | 令和8年分の扱い |
|---|---|
| 給与所得の源泉徴収票(受給者交付用) | 全員分を作って本人に交付(令和9年2月1日(月)まで。年の中途で退職した人は退職の日以後1か月以内) |
| 給与支払報告書(市区町村提出用) | 受給者の令和9年1月1日現在の住所の市区町村へ令和9年2月1日(月)までに提出(年の中途で退職し支払金額30万円以下の人は省略可) |
| 給与所得の源泉徴収票(税務署提出用) | 令和9年1月1日以後は、市区町村に給与支払報告書を出せば税務署に出したものとみなされるため、基本的に作成不要(源泉徴収票のみなし提出の特例) |
源泉徴収票のみなし提出の特例を受けるときは、受給者交付用1枚と給与支払報告書1枚の計2枚を作ります(同 3・12ページ)。退職所得の源泉徴収票や報酬の支払調書などを税務署に出すときの合計表は、解説「法定調書合計表の書き方」で説明しています。
源泉徴収票の作り方(欄ごとの書き方)
年末調整をした人は、年末調整の計算結果をそのまま写します。金額の多くは年末調整 計算ツールの結果と同じです(このツールも同じ計算で求めます)。
| 欄 | 書く内容 | 手引 |
|---|---|---|
| 支払金額 | 本年中に支払の確定した給与・賞与の総額。中途就職者で前職分を通算して年末調整をしたときは前職分を含む | 5ページ |
| 給与所得控除後の金額(調整控除後) | 給与所得控除後の給与等の金額。所得金額調整控除があるときはその控除後の金額 | 5ページ |
| 所得控除の額の合計額 | 社会保険料控除〜基礎控除までの合計(特定親族特別控除を含む) | 5ページ |
| 源泉徴収税額 | 年末調整をした人は年末調整後の年税額。していない人は本年中に源泉徴収した税額 | 5ページ |
| (源泉)控除対象配偶者の有無等 | 控除対象配偶者(年末調整をしていない人は源泉控除対象配偶者)がいれば「有」に○、老人控除対象配偶者なら「老人」に○。配偶者特別控除の対象の配偶者は○を付けません | 5〜6ページ |
| 配偶者(特別)控除の額 | 配偶者控除等申告書で控除した配偶者控除または配偶者特別控除の額 | 6ページ |
| 控除対象扶養親族等の数 | 特定・老人(内書きは同居老親等)・その他・特親(特定親族)の人数 | 6ページ |
| 16歳未満扶養親族の数・障害者の数・非居住者である親族の数 | 扶養控除はない16歳未満の扶養親族も人数を書く。障害者の数は本人を除き、特別障害者の内書きは同居特別障害者 | 6ページ |
| 特定親族特別控除の額 | 特定親族特別控除申告書で控除した額(令和8年分の新しい欄) | 7ページ |
| 社会保険料等の金額 | 社会保険料控除と小規模企業共済等掛金控除の合計。小規模企業共済等掛金(iDeCo など)は内書き。前職分を含む | 7ページ |
| 生命保険料の控除額・地震保険料の控除額 | 保険料控除申告書で控除した額。23歳未満の扶養親族の特例を受けたときは摘要に「租税特別措置法第41条の15の5第1項適用」 | 7・11ページ |
| 住宅借入金等特別控除の額 | 年末調整で控除した額(算出所得税額が限度)。控除しきれないときは控除申告書の額を「住宅借入金等特別控除可能額」に書く | 7ページ |
| 生命保険料の金額の内訳・国民年金保険料等の金額・旧長期損害保険料の金額 | 本年中に支払った新・旧の生命保険料、介護医療保険料、新・旧の個人年金保険料。社会保険料控除を受けた国民年金保険料等。旧長期損害保険料の支払額 | 7ページ |
| 住宅借入金等特別控除の額の内訳 | 適用数、居住開始年月日、控除区分、年末残高(1回目・2回目。3回目以降は摘要) | 7〜9ページ |
| 基礎控除の額・所得金額調整控除額 | 年末調整で控除した基礎控除の額と所得金額調整控除の額 | 9ページ |
| (源泉・特別)控除対象配偶者・控除対象扶養親族等・16歳未満の扶養親族 | 氏名と区分。控除対象扶養親族等は最大4人で、5人目以降は摘要に「(1)氏名」のように書く | 9〜10ページ |
| 配偶者の合計所得 | 配偶者控除・配偶者特別控除を受けたときの配偶者の合計所得金額(年末調整をしていない人は見積額) | 10ページ |
| 未成年者〜勤労学生・中途就・退職・受給者生年月日 | 当てはまる欄に○。未成年者は平成21年1月3日以後生。本年中に就職・退職した人は○と年月日(同じ年に就職と退職のどちらもあるときは退職に○、摘要に「中途就」) | 10〜11ページ |
| 摘要 | 前職分(所在地・名称・退職年月日・支払金額・源泉徴収税額・社会保険料)など | 11〜12ページ |
令和8年分の様式の変更点(特定親族)
令和7年度の税制改正で特定親族特別控除ができたことに伴い、令和8年分の源泉徴収票には「特定親族特別控除の額」欄と、控除対象扶養親族等の数の「特親」欄があります。特定親族とは、生計を一にする19歳以上23歳未満の親族で合計所得金額が62万円超(令和8年11月30日以前は58万円超)123万円以下の人です。控除対象扶養親族等の「区分」には、特定親族特別控除の額に応じて次の値を書きます(同 10・12ページ)。
| 特定親族特別控除の額 | 区分(居住者) | 区分(非居住者) |
|---|---|---|
| 63万円 | 10 | 11 |
| 61万円 | 20 | 21 |
| 51万円 | 30 | 31 |
| 41万円 | 40 | 41 |
| 31万円 | 50 | 51 |
| 21万円 | 60 | 61 |
| 11万円 | 70 | 71 |
| 6万円 | 80 | 81 |
| 3万円 | 90 | 91 |
特定親族以外の控除対象扶養親族の区分は、居住者なら「00」です(非居住者は 01〜04)。年末調整をしていない人の「特親」は、源泉控除対象親族のうち合計所得の見積額が100万円以下の特定親族の人数です。また令和8年分・令和9年分は23歳未満の扶養親族がいる場合の生命保険料控除の特例があり、適用したときは摘要に書きます。
年の中途で退職した人(年末調整をしていない人)
年の中途で退職した人(死亡退職などで年末調整をした人を除く)、扶養控除等申告書を出していない乙欄の人、給与の収入金額が2,000万円を超える人などは年末調整をしません。この場合の源泉徴収票は、支払金額・源泉徴収税額(実際に源泉徴収した税額)・社会保険料等の金額と、扶養控除等申告書に基づく源泉控除対象配偶者の有無・配偶者の合計所得(見積額)・控除対象扶養親族等の数、退職の○と年月日などを書き、給与所得控除後の金額・所得控除の額の合計額・生命保険料の控除額などは空欄です(同 18ページ 記載例4)。退職した人には退職の日以後1か月以内に交付します。
中途就職者(前職分を通算して年末調整をした人)
本年中に前の勤務先から給与を受けていた人は、前職の源泉徴収票の金額を合わせて年末調整をします。このとき支払金額・源泉徴収税額・社会保険料等の金額には前職分を含め、摘要に前職の所在地・名称・退職年月日・支払金額・源泉徴収税額・社会保険料を書きます。就職欄に○を付け、就職した年月日を書きます(同 16ページ 記載例2)。
国税庁の記載例で検算
手引の記載例の数字を入れると、記載例と同じ値になります(この表は本ページと同じ関数でビルド時に求めた値です)。
| 記載例(手引のページ) | 主な入力 | このツールの結果 |
|---|---|---|
| 記載例1(13〜15ページ) | 支払金額 9,620,000円、社会保険料 1,659,483円、生命保険料(23歳未満の特例)・地震保険料、配偶者(所得40万円)、特定親族(所得95万円)、同居老親等1人、その他1人、16歳未満1人、障害者1人、所得金額調整控除 | 給与所得控除後 7,558,000円 所得控除の合計 4,564,283円 源泉徴収税額 206,000円 特定親族特別控除 510,000円(区分 30) 生命 120,000円・地震 44,800円 基礎控除 620,000円・調整控除 112,000円 |
| 記載例2(16ページ) | 中途就職(前職分を含む支払金額 5,870,000円)、社会保険料 836,110円、配偶者(所得0円)、その他1人 | 給与所得控除後 4,254,400円 所得控除の合計 2,636,110円 源泉徴収税額 82,500円 基礎控除 1,040,000円 |
| 記載例3(17ページ) | 記載例2に地震保険料控除 50,000円、住宅借入金等特別控除 178,000円(2回の居住) | 所得控除の合計 2,686,110円 算出所得税額 78,400円 住宅借入金等特別控除の額 78,400円 同 可能額 178,000円 源泉徴収税額 0円 |
| 記載例4(18ページ) | 年の中途で退職(年末調整なし)、支払金額 1,650,000円、源泉徴収した税額 27,250円、社会保険料 259,457円、源泉控除対象配偶者(見積額30万円) | 源泉徴収税額 27,250円 配偶者 有 ○・配偶者の合計所得 300,000円 退職 ○ 令和8年5月31日 |
よくある質問
源泉徴収票はどうやって作りますか?
年末調整をした人は、年末調整の計算結果(支払金額・給与所得控除後の金額・所得控除の額の合計額・年調年税額・各控除額)と、扶養控除等申告書などに書かれた家族の情報を、国税庁の様式の各欄に写して作ります。このツールに金額と人数を入れると、各欄に書く値を様式の順に表示し、そのまま印刷することもできます。国税庁の入力用PDFや給与ソフトで作る場合も、各欄の値の確認に使えます。
源泉徴収票の作り方で、年末調整をしていない退職者はどう書きますか?
支払金額、本年中に実際に源泉徴収した税額、社会保険料等の金額を書き、給与所得控除後の金額・所得控除の額の合計額・各控除額は空欄にします。扶養控除等申告書を出していれば、源泉控除対象配偶者の有無(配偶者の所得の見積額95万円以下)や控除対象扶養親族等の数も書きます。退職の欄に○を付けて退職年月日を書き、退職の日以後1か月以内に本人へ交付します。
受給者に渡す源泉徴収票にマイナンバーは書きますか?
書きません。受給者交付用の源泉徴収票には、受給者・家族のマイナンバーや支払者の法人番号の欄がありません。マイナンバーを書くのは税務署提出用(令和9年1月以後はみなし提出の特例で基本的に作成不要)と、市区町村に出す給与支払報告書です。このツールもマイナンバーは扱いません。
令和8年分の源泉徴収票は、いつまでに本人に渡しますか?
令和9年2月1日(月)までです(本来の期限1月31日が日曜日のため)。年の中途で退職した人には、退職の日以後1か月以内に交付します。電子交付もできます。
税務署にも源泉徴収票を出しますか?
令和9年1月1日以後は、市区町村に給与支払報告書を提出すれば、税務署に源泉徴収票を提出したものとみなされます(源泉徴収票のみなし提出の特例)。そのため令和8年分は、税務署提出用の源泉徴収票を基本的に作る必要がありません。本人への交付は引き続き必要です。報酬・退職金など他の法定調書の提出要否は、法定調書の提出要否チェックで確かめられます。
「特親」の欄には何を書きますか?
令和8年分から増えた欄で、特定親族特別控除を受けた特定親族(19歳以上23歳未満で合計所得金額62万円超123万円以下の親族)の人数を書きます。特定親族は控除対象扶養親族等の氏名欄にも書き、区分には控除額に応じて10〜90(非居住者は11〜91)を書きます。合計所得金額が62万円以下なら特定扶養親族(「特定」の欄)です。
源泉徴収票をエクセルや手書きで作ってもいいですか?
様式(記載事項)が国税庁の様式に沿っていれば、手書き・エクセル・給与ソフトなど作り方は自由です。このツールの印刷は受給者交付用の様式に近い形の表で、各欄の値をコピーして国税庁の入力用PDFなどに貼り付けることもできます。印刷の前に、氏名・住所・支払者の欄の内容を確かめてください。
出典
- 国税庁 令和8年分 給与所得の源泉徴収票等の法定調書の作成と提出の手引(PDF。第2章 3〜18ページ、令和8年9月18日訂正版)
- 国税庁 同 手引の正誤表(PDF)
- 国税庁 [手続名]給与所得の源泉徴収票(給与支払報告書)(様式・記載要領)
- 国税庁 令和8年分 給与所得の源泉徴収票(受給者交付用)の様式(PDF)
- 国税庁 令和8年分 給与所得の源泉徴収票等の記載要領(PDF)
- 国税庁 令和8年分 年末調整のしかた(PDF)
- 国税庁 No.1177 特定親族特別控除
- 計算方法の解説(ISZ GROUP): 法定調書合計表の書き方 — 令和8年分の各欄・記入例・提出方法(e-Tax・書面)
更新履歴
- 2026/10/26: 公開(令和8年分の給与所得の源泉徴収票(受給者交付用)の各欄と印刷用の様式。国税庁の手引の記載例4件と一致を確認)
このツールは公表された算式・料率による一般的な計算で、個別の税務相談に代わるものではありません。料率・税額表は改定されることがあります。実際の申告・納付・給与計算では、国税庁などの最新の資料をご確認のうえ、専門家にご相談ください。計算は入力した端末の中だけで行い、入力内容は送信・保存しません。