ISZ™ 仕訳AI税理士・経理のための解説 無料で試す

賞与の源泉徴収と社会保険料の計算 — 前月の給与・上限・退職月・決算賞与まで

最終更新: 2026/10/26 / 執筆: ISZ GROUP(ISZ™ 仕訳AI 開発チーム)
この記事のポイント

12月に冬の賞与を支給する会社では、11月中に支給額を決め、支給日には社会保険料と源泉所得税を差し引いて振り込みます。賞与の計算は毎月の給与と手順が違い、「前月の給与」「年度の累計」「同じ月の合計」といった、その人の前後の支給を見ないと決まらない要素があります。この記事は、税理士事務所の職員や経理担当者が賞与の計算と仕訳で迷いやすい点を、2026年10月26日時点の制度で計算例とともにまとめたものです。源泉徴収税額の表の見方そのものは 源泉徴収税額の計算方法(賞与)、毎月の保険料の決め方は 社会保険料の計算方法で解説しています。計算例の数字は、協会けんぽ(東京都)の令和8年度の料率と令和8年分の算出率の表を使い、賞与の源泉徴収税額・手取りの計算ツールと同じ計算で確かめています。

賞与の計算の順番と、使う資料

源泉徴収税額は「社会保険料等を控除した後の賞与」に率を掛けて求めるため、先に社会保険料を確定させます。率を決める「前月の給与」も、前月の給与から社会保険料等を引いた後の金額です。

① 標準賞与額 = 賞与の総支給額の1,000円未満を切り捨てた額(上限あり) ② 社会保険料 = 標準賞与額 × 健康保険(+介護保険)・子ども・子育て支援金・厚生年金の料率 ÷ 2 ③ 雇用保険料 = 賞与の総支給額 × 5/1000(令和8年度・一般の事業の労働者負担) ④ 社会保険料等控除後の賞与 = 総支給額 −(② + ③) ⑤ 率 = 算出率の表(前月の社会保険料等控除後の給与 × 扶養親族等の数) ⑥ 源泉徴収税額 = ④ × ⑤(1円未満切捨て)
項目2026年12月に支給する賞与で使うもの
健康保険(協会けんぽ)令和8年度の都道府県単位保険料率(東京都 9.85%)。40歳以上65歳未満は介護保険料率 1.62% を加える
子ども・子育て支援金0.23%(2026年4月分から。賞与にもかかる)
厚生年金18.3%
雇用保険一般の事業 労働者負担 5/1000・事業主負担 8.5/1000(標準賞与額ではなく実際の賞与の額に掛ける)
源泉所得税令和8年分の「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表」。2027年1月以後に支払う賞与は令和9年分の表

本人負担の端数は、給与から控除する場合、50銭以下切捨て・50銭超切上げです(協会けんぽの保険料額表の注記)。健康保険組合に加入している会社は、組合の料率を使います。給与・賞与から小規模企業共済等掛金を控除している場合は、それも「社会保険料等」に含めて引きます。

計算例1: 標準的な冬の賞与(2026年12月10日支給・東京都・45歳・扶養親族等1人)

賞与の総支給額 600,500円。前月(11月25日)に支払った給与は 300,000円で、そこから控除した社会保険料等は 46,500円(健康保険・介護 17,205円、支援金 345円、厚生年金 27,450円、雇用保険 1,500円)。

計算金額
標準賞与額(1,000円未満切捨て)600,000
健康保険・介護保険 600,000 × (9.85% + 1.62%) ÷ 234,410
子ども・子育て支援金 600,000 × 0.23% ÷ 2690
厚生年金 600,000 × 18.3% ÷ 254,900
雇用保険 600,500 × 5/1000 = 3,002.5(50銭以下切捨て)3,002
社会保険料等の合計93,002
社会保険料等控除後の賞与507,498
前月の社会保険料等控除後の給与 300,000 − 46,500 → 扶養1人の列(250千円以上289千円未満)4.084%
源泉徴収税額 507,498 × 4.084%(1円未満切捨て)20,726
差引支給額(手取り)486,772

前月の給与 253,500円は、扶養1人の列の 250千円の境目のすぐ上です。前月に欠勤控除があって 250千円を下回っていれば率は 2.042% になり、税額は 10,363円です。前月の給与の金額を取り違えると、率が1段階ずれます。

標準賞与額と上限:573万円・150万円・同じ月の合算

日本年金機構は、標準賞与額と上限を次のように説明しています。

標準賞与額の上限は、健康保険では年度の累計額573万円(年度は毎年4月1日から翌年3月31日まで)、厚生年金保険は1カ月あたり150万円とされていますが、同月内に2回以上支給されるときは合算した額で上限額が適用されます。— 日本年金機構「従業員に賞与を支給したときの手続き」

健康保険の累計は暦年でも事業年度でもなく、4月1日から翌年3月31日までの年度で数えます。3月決算の会社が3月に決算賞与を払うと、前年7月・12月の賞与と同じ年度に入ります。介護保険料と子ども・子育て支援金も、健康保険の標準賞与額に掛けるので、573万円を超えた部分にはかかりません。

計算例2: 年度の累計が573万円を超える場合(東京都・50歳・2026年度)
支給月賞与健康保険の標準賞与額(累計)厚生年金の標準賞与額本人負担(健保・介護+支援金+厚生年金)
2026年7月3,000,0003,000,000(3,000,000)1,500,000172,050 + 3,450 + 137,250
2026年12月3,000,0002,730,000(5,730,000)1,500,000156,565 + 3,139 + 137,250
2027年3月500,0000(5,730,000)500,0000 + 0 + 45,750

12月の健康保険は 573万円 − 300万円 = 273万円だけが対象です(2,730,000 × 5.735% = 156,565.5 → 156,565円)。3月の決算賞与には健康保険・介護・支援金がかからず、厚生年金だけがかかります。4月に支給すれば新しい年度の累計になります。年度の途中で転職した人など、同じ年度に被保険者期間が複数ある人の累計が573万円を超えたときは、本人の申出に基づいて「健康保険 標準賞与額累計申出書」を出します(日本年金機構 同ページ)。雇用保険は上限がなく、それぞれの賞与の額 × 5/1000 です。

同じ月に2回払うときは、厚生年金の150万円をその月の合計に当てます。例えば12月5日に 1,000,000円、12月25日に 800,000円を払えば、合計 1,800,000円のうち厚生年金の標準賞与額は 1,500,000円です。1回ごとに上限を当てると、2回目も 800,000円が対象になり、本人負担を 27,450円(300,000円 × 9.15%)多く控除してしまいます。届出も、最後の支払の後にその月の合計で出します(日本年金機構「同一月内に2回以上賞与の支払いを行う場合は、最後の賞与支払後、その月に支払った賞与額を合算して届け出てください」)。

年4回以上支給するものは賞与ではなく、標準報酬月額の対象(報酬)になります。結婚祝金などの労働の対償でないものは対象外です(日本年金機構 同ページ)。

退職月・入社月・育児休業中・70歳以上の賞与

賞与の保険料は、支払った月に被保険者かどうかで決まります。日本年金機構は次のように説明しています。

資格取得月(資格取得日以降)に支払われた賞与は保険料賦課の対象となりますが、資格喪失月に支払われた賞与は保険料賦課の対象とはなりません。— 日本年金機構「従業員に賞与を支給したときの手続き」

資格喪失日は退職日の翌日です。そのため、同じ12月の賞与でも退職日によって扱いが分かれます。

ケース(12月10日に賞与を支給)資格喪失日賞与の社会保険料
12月20日に退職12月21日(12月が資格喪失月)かからない
12月31日に退職2027年1月1日(12月は喪失月でない)かかる
12月1日に入社し、12月10日に寸志を支給(12月1日に資格取得)かかる
12月1日に入社し、12月10日に寸志を支給、12月20日に退職(同じ月に取得と喪失)12月21日かかる(取得日から喪失日の前日までに支払ったもの)
育児休業等で保険料が免除される月に支給―免除の要件を満たせばかからない(下記)

同じ月に資格の取得と喪失がある場合について、日本年金機構は「資格取得日から資格喪失日の前日までに支払われたものであれば対象となります」としています。

保険料がかからない賞与でも、届出と累計は別です。日本年金機構は「健康保険では、資格喪失月であっても資格喪失日の前日までに支払われた賞与については、標準賞与額として決定し、標準賞与額の累計額(年度の累計額573万円)に含めます」とし、さらに「育児休業等による保険料免除期間に支払われた賞与や資格喪失月に支払われた賞与(保険料賦課の対象とならない賞与)についても標準賞与額として決定し、年度の累計額に含めることになっています」としています。資格喪失日の前日までに支払った賞与は、保険料がかからなくても賞与支払届に載せます。雇用保険料は被保険者資格の月の考え方がなく、賞与を払えばその額にかかります。源泉所得税も、保険料の有無と関係なく計算します。

育児休業等の期間中の賞与は、日本年金機構の説明では次のとおりです。

賞与にかかる保険料(育児休業等期間に月末が含まれる月に支給された賞与にかかる保険料)も免除されます。ただし、令和4年10月1日以降に開始した育児休業等については、当該賞与月の末日を含んだ連続した1カ月を超える育児休業等を取得した場合に限り免除となります。— 日本年金機構「育児休業等を取得し、保険料の免除を受けようとするとき」

例えば12月20日〜12月31日の育児休業では、月末を含むので12月分の毎月の保険料は免除されますが、期間が1か月以下のため、12月に支給した賞与の保険料は免除されません(健康保険法159条1項かっこ書「その育児休業等の期間が一月以下である者については、標準報酬月額に係る保険料に限る」)。

70歳以上で厚生年金の被保険者でない人(70歳以上被用者)には厚生年金の保険料はかかりませんが、健康保険の保険料はかかり、賞与支払届も被保険者と同じ届書(被保険者賞与支払届/70歳以上被用者賞与支払届)で出します。75歳以上は後期高齢者医療制度に移るため、健康保険・介護・支援金もかかりません。年齢の数え方(誕生日の前日の属する月)は 介護保険と年齢による違いで解説しています。

源泉徴収税額:「前月の給与」の取り方

算出率の表の率を決める「前月の給与」は、所得税法186条1項1号イで次のように定められています。

その賞与の支払者がその支払を受ける居住者に対し前月中に支払つた又は支払うべきその他の給与等(以下この条において「通常の給与等」という。)がある場合— 所得税法 第186条第1項第1号イ
  • 締め日の月ではなく、支払う月で見る: 12月10日に賞与を払うなら、11月中に支払った(支払うべき)給与が「前月の給与」です。11月25日払いの会社なら11月分、翌月10日払いの会社なら10月分の給与になります
  • 社会保険料等控除後の金額: 課税される給与(非課税の通勤手当を除く)から、健康保険・介護・支援金・厚生年金・雇用保険の本人負担を引いた金額。住民税は引きません
  • 扶養親族等の数: 賞与を支払うべき日の現況による数(所得税基本通達186-1)。月額表と同じく、源泉控除対象配偶者と源泉控除対象親族の数に、障害者などの加算をした数です。源泉控除対象親族は、16歳以上の控除対象扶養親族に、19歳以上23歳未満で合計所得金額100万円以下の親族(控除対象扶養親族に該当しない人)を加えたものです(所得税法2条1項34号の5)。アルバイト収入のある大学生の子を数え漏らすと、率の列が1つずれます
  • 乙欄: 扶養控除等申告書を出していない人は乙欄の率です。乙欄も前月の給与で率が変わり、一律ではありません(乙欄の率の表)

前月中に給与の支払がない場合と、社会保険料等控除後の賞与が前月の社会保険料等控除後の給与の10倍を超える場合は、算出率の表を使わず、国税庁 No.2523 の次の算式で計算します。ただし、給与の支給期が「月の整数倍の期間ごと」(2か月ごとなど)と定められている人は、前月中に支払がなくても「通常の給与等がある場合」に含まれます(所得税法186条1項1号イのかっこ書)。10倍を超えるかどうかは、同じ計算期間の賞与を分けて払うときは分けた賞与の合計で判定します(所得税基本通達186-4)。

● 前月中に給与の支払がない場合  税額 =(社会保険料等控除後の賞与 ÷ 6)を月額表に当てはめた税額 × 6 ● 社会保険料等控除後の賞与が、前月の社会保険料等控除後の給与の10倍を超える場合  税額 = {(賞与 ÷ 6 + 前月の給与)の月額表の税額 − 前月の給与の月額表の税額}× 6 (賞与の計算の基礎となった期間が6か月を超えるときは、6を12にする)
計算例3: 休職中で前月の給与がない人の賞与(2026年12月10日支給・東京都・30歳・扶養0人)

賞与 800,000円。私傷病で休職中のため、11月中に支払った給与はない。社会保険の資格は続いている。

  • 社会保険料等: 健康保険 39,400円 + 支援金 920円 + 厚生年金 73,200円 + 雇用保険 4,000円 = 117,520円
  • 社会保険料等控除後の賞与: 682,480円 ÷ 6 = 113,746円(1円未満切捨て)
  • 月額表(令和8年分・甲欄・扶養0人)の税額 580円 × 6 = 3,480円

算出率の表の「前月の給与 0円」の行(扶養0人で82千円未満は0%)を当てると税額は0円になりますが、前月の給与がない場合はこの行ではなく、月額表を使う計算です。

計算例4: 前月の給与が少ない人に大きな決算賞与を払う場合(2026年12月10日支給・東京都・35歳・扶養0人)

前月の社会保険料等控除後の給与 120,000円。賞与 1,500,000円、社会保険料等 220,350円(健康保険 73,875円・支援金 1,725円・厚生年金 137,250円・雇用保険 7,500円)。

  • 社会保険料等控除後の賞与 1,279,650円 ÷ 前月の給与 120,000円 = 約10.7倍 → 10倍超
  • 1,279,650 ÷ 6 = 213,275円。213,275 + 120,000 = 333,275円の月額表の税額 10,260円
  • 前月の給与 120,000円の月額表の税額 890円
  • (10,260 − 890)× 6 = 56,220円

算出率の表(120,000円・扶養0人 → 4.084%)で計算すると 52,260円になり、3,960円少なく源泉徴収することになります。

決算賞与の未払計上と法人税

使用人に支払う賞与は、原則として支払った日の属する事業年度の損金です。期末までに支給額を決め、翌期に支払う決算賞与は、法人税法施行令72条の3第2号の要件をすべて満たせば、支給額を通知した日の属する事業年度の損金になります(国税庁 No.5350)。

要件(法人税法施行令72条の3第2号)実務で確かめること
支給額を、各人別に、かつ、同時期に賞与を支給するすべての使用人に通知している通知書・メールの写しと日付。一部の人にしか通知していない、総額だけ決めた、は満たさない。パートタイマー・臨時雇いを区分して支給している場合は、区分ごとに判定できる
通知した金額を、通知した全員に、事業年度終了の日の翌日から1か月以内に支払っている3月決算なら4月30日までに支払。支払が遅れた人がいれば要件を欠く
通知した日の属する事業年度に、その金額を損金経理している決算で「賞与/未払費用」を計上

もう一つ実務で問題になるのが、賞与規程の「支給日に在職している者に支給する」という定めです。国税庁 No.5350 は次のように注記しています。

法人が支給日に在職する使用人のみに賞与を支給することとしている場合のその支給額の通知は、ここでいう「通知」には該当しません。— 国税庁 タックスアンサー No.5350「使用人賞与の損金算入時期」(注1)

期末に通知していても、支給日までに退職した人には払わない扱いなら、通知した期の損金にはならず、支払った期の損金です。決算賞与の通知書の文面と賞与規程を、期末前に確かめておきます。

使用人兼務役員の使用人としての職務に対応する賞与も同じ扱いですが、他の使用人と異なる時期に支給したものは過大な役員給与として損金になりません(法人税法施行令70条3号)。決算賞与の通知・支払の時期を、ほかの使用人とそろえます。役員(使用人兼務でない)の賞与は、事前確定届出給与として期限までに税務署に届け出て、届け出たとおりに支給したものでなければ損金になりません(法人税法34条1項2号)。届出期限は、原則として株主総会等の決議の日(職務の執行の開始の日より後なら開始の日)から1か月を経過する日と、その職務の執行の開始の日の属する会計期間開始の日から4か月(確定申告書の提出期限の延長の特例を受けている法人は、その月数に応じて延びます)を経過する日のいずれか早い日です。新たに設立した法人が設立時に開始する職務について定めた場合は、設立の日以後2か月を経過する日です(法人税法施行令69条4項1号)。

見落としやすいのが、決算賞与に係る事業主負担の社会保険料です。法人税基本通達9-3-2は、社会保険料の損金算入の時期を次のように定めています。

法人が納付する次に掲げる保険料等の額のうち当該法人が負担すべき部分の金額は、当該保険料等の額の計算の対象となった月の末日の属する事業年度の損金の額に算入することができる。— 法人税基本通達 9-3-2(社会保険料の損金算入の時期)

賞与の保険料は支給した月の保険料なので、4月に支給する決算賞与の健康保険・厚生年金の事業主負担は翌期の損金です。会計上は費用収益の対応のため3月期に「法定福利費/未払費用」を計上してもかまいませんが、法人税の申告では別表四で加算(留保)し、翌期に減算します。

仕訳例1: 3月決算の会社が3月25日に通知し、4月20日に支給する決算賞与(総額 2,000,000円)
日付借方金額貸方金額法人税
3月31日賞与2,000,000未払金(未払賞与)2,000,000要件を満たせば当期の損金
3月31日法定福利費307,200未払費用307,200当期は加算・翌期に減算

事業主負担 307,200円は、東京都・40歳以上65歳未満の人だけで上限に届かない場合の目安です(2,000,000 × (11.47% + 0.23% + 18.3%) ÷ 2 = 300,000円、子ども・子育て拠出金 2,000,000 × 0.36% = 7,200円)。実際は1人ごとの標準賞与額・年齢・上限で変わります。支給日には、未払金を取り崩して社会保険料・源泉所得税を預り金にします。源泉所得税は支払った月の翌月10日(4月支給なら5月10日。土日・祝日なら次の平日)が納期限です。

賞与の支給・納付の仕訳

仕訳例2: 計算例1の賞与の支給(2026年12月10日)
借方金額貸方金額
賞与600,500預り金(社会保険料)90,000
預り金(雇用保険料)3,002
預り金(源泉所得税)20,726
普通預金486,772

社会保険料の預り金 90,000円は、健康保険・介護 34,410円 + 支援金 690円 + 厚生年金 54,900円です。

仕訳例3: 事業主負担の計上と納付
日付借方金額貸方金額
12月31日法定福利費92,160未払費用92,160
2027年2月1日預り金(社会保険料)90,000普通預金182,160
未払費用92,160
2027年1月12日預り金(源泉所得税)20,726普通預金20,726

事業主負担 92,160円は、本人負担と同額の健康保険・介護・支援金・厚生年金 90,000円に、子ども・子育て拠出金(600,000 × 0.36% = 2,160円)を加えた目安です。実際の納付額は会社全体で計算されるため、納入告知書の金額との差は月末にまとめて調整します。12月の保険料は翌月末に口座振替されます(2027年は1月31日が日曜日のため2月1日)。12月支給の賞与の源泉所得税は翌年1月10日が納期限ですが、2027年は1月10日が日曜日、11日が成人の日のため1月12日(火)です。納期の特例を受けていれば2027年1月20日です(源泉所得税の納期限)。雇用保険の事業主負担は、労働保険の年度更新で精算します。

賞与の計算で間違えやすい点

  • 健康保険の累計を暦年や事業年度で数えている。573万円は4月〜翌年3月の年度の累計です。3月の決算賞与は前年7月・12月の賞与と合算します
  • 同じ月の2回目の賞与に、改めて150万円の上限を当てている。厚生年金の上限は月の合計に当てます
  • 資格喪失月の賞与から保険料を控除している、または月末退職の人の賞与から控除していない。喪失日は退職日の翌日です
  • 保険料がかからない退職者・育休中の人を賞与支払届から外している。届出は必要で、健康保険の累計にも含めます
  • 「前月の給与」に、締め日で数えた前月分の給与を使っている。前月中に支払った(支払うべき)給与です。翌月払いの会社では、前々月の締めの給与になります
  • 前月の給与がない人に、算出率の表の0%を当てている。月額表を使う計算です(計算例3)
  • 「支給日在職要件」のある決算賞与を、通知した期の損金にしている。この場合の通知は法人税法施行令72条の3の「通知」に当たりません
  • 決算賞与の事業主負担の社会保険料を、未払計上した期の損金にしている。支給月の属する期の損金です
  • 支給予定月に賞与を払わなかったのに、何も届けていない。日本年金機構に登録した支給予定月に支給がなければ「賞与不支給報告書」を出します

賞与支払届は支払日から5日以内に、事務センター(または管轄の年金事務所)へ提出します(社会保険・労働保険の期限)。12月に支給した賞与は、源泉徴収票の支払金額にも含め、年末調整の対象になります。その年最後の給与が年末調整の対象で、同じ月に賞与を払う場合、年末調整で不足額が出ると見込まれるときは、賞与の源泉徴収税額に不足額を加えて徴収することもできます(所得税法186条3項)。年末調整の流れは 所得税と年末調整を参照してください。

この記事の計算ができる無料ツール

ISZ™ 仕訳AI では

ISZ™ 仕訳AI の給与計算は、賞与の社会保険料(標準賞与額・健康保険の年度の累計573万円)と、前月の給与による算出率の表の率で源泉徴収税額を計算し、支給・預り金の仕訳まで作ります。

  • 前月の給与がない場合・10倍を超える場合の月額表を使う計算に自動で切替
  • 40歳・65歳・70歳・75歳の年齢による保険料の有無を支給月で判定
  • 令和8年分・令和9年分の算出率の表を支給日で使い分け
  • 賞与の源泉所得税を年末調整・源泉徴収票まで同じ画面で扱える

賞与の支給額や決算賞与の要件の確認は、税理士・経理担当者が行います。無料登録(メールアドレスの確認)で証憑100枚まで無料で試せます(クレジットカード不要)。

よくある質問

賞与の源泉徴収税額の「前月の給与」とは、いつの給与ですか?

賞与を支払う月の前月中に支払った(支払うべき)給与です(所得税法186条)。12月10日に賞与を払う場合、11月25日払いの会社なら11月分、翌月10日払いの会社なら10月分の給与になります。その給与から控除した社会保険料等を引いた金額と、扶養親族等の数で算出率の表の率を求めます。

賞与の健康保険料の上限573万円は、いつからいつまでの累計ですか?

毎年4月1日から翌年3月31日までの年度の累計です。暦年でも会社の事業年度でもありません。3月に支給する決算賞与は、前年7月・12月の賞与と同じ年度で合算します。厚生年金は1か月150万円が上限です。

同じ月に賞与を2回支給した場合、上限はどう計算しますか?

同じ月に支給した賞与を合算した額に上限を当てます。厚生年金なら、12月に100万円と80万円を払えば合計180万円のうち150万円が標準賞与額です。賞与支払届も、最後の支払の後にその月の合計で出します。

退職する人の賞与から社会保険料を控除しますか?

賞与を支払った月が資格喪失月なら控除しません。資格喪失日は退職日の翌日なので、12月20日退職の人の12月の賞与にはかかりませんが、12月31日退職の人は喪失日が1月1日のため、12月の賞与にかかります。同じ月に入社と退職がある場合は、取得日から喪失日の前日までに支払った賞与にかかります。保険料がかからない場合も、喪失日の前日までに支払った賞与は賞与支払届に載せます。

前月に給与の支払がない人の賞与の源泉徴収税額はどう計算しますか?

算出率の表は使わず、社会保険料等控除後の賞与を6で割った金額を月額表に当てはめ、その税額を6倍します(賞与の計算期間が6か月を超えるときは12)。算出率の表の0%の行を当てるのは誤りです。

決算賞与を未払計上して当期の損金にできる要件は何ですか?

法人税法施行令72条の3により、支給額を各人別にかつ同時期に支給するすべての使用人に通知し、通知した金額を期末の翌日から1か月以内に支払い、通知した期に損金経理していることが要件です。事業主負担の社会保険料は、支給した月の属する期の損金になります。

賞与規程に「支給日に在職する者に支給する」とある場合、決算賞与を未払計上できますか?

国税庁 No.5350 は、支給日に在職する使用人のみに支給することとしている場合の通知は、法人税法施行令72条の3の「通知」に該当しないとしています。この場合、期末に通知していても通知した期の損金にはならず、支払った日の属する期の損金です。

出典

更新履歴

  • 2026/10/26: 公開

この記事は公表された法令・通達・国税庁などの資料にもとづく一般的な解説で、個別の税務相談に代わるものではありません。制度・料率は改定されることがあります。実際の申告・納付・給与計算では最新の資料をご確認のうえ、専門家にご相談ください。

記帳から決算書・申告書まで、ひとつの流れに。

ISZ™ 仕訳AI は税理士事務所のための AI 自動仕訳・記帳自動化サービスです。顧問先はスマホで撮って送るだけ。AI が読み取って仕訳にし、「要確認」だけを確認すれば、決算書・法人税や消費税の申告書まで同じ流れで作れます。会計・申告の機能は無料で、AI の読み取りも登録だけで100枚まで無料・クレジットカード不要。

無料で試す(acc.isz.ai)