この記事は、年末調整を終えた後に作る給与支払報告書(総括表と個人別明細書)の書き方と提出のしかたを、地方税法、総務省令の様式の記載要領、国税庁「令和8年分 給与所得の源泉徴収票等の法定調書の作成と提出の手引」(以下「手引」)で確かめてまとめたものです。制度は2026年10月28日時点のものです。税務署に出す法定調書合計表は法定調書合計表の書き方、年末調整そのものは年末調整で間違えやすいポイントで解説しています。
給与支払報告書の提出義務・提出先・期限
給与支払報告書は地方税法317条の6に定められた書類で、所得税を源泉徴収する義務のある給与の支払者が提出します。様式は地方税法施行規則の第17号様式(総括表)と、第17号様式別表(個人別明細書)です。個人別明細書は、給与所得の源泉徴収票と同じ欄の並びの書類です。
| 区分 | 提出先 | 令和8年分の期限 | 根拠 |
|---|---|---|---|
| 2027年1月1日現在、給与の支払を受けている人(在職者) | 2027年1月1日現在の住所地の市区町村 | 2027年2月1日(月) | 地方税法317条の6第1項 |
| 2026年中に退職した人(支払額30万円超) | 退職時の住所地の市区町村 | 同条第3項 |
本来の期限は1月31日ですが、2027年1月31日は日曜日なので、地方税法20条の5第2項により翌日の2月1日が期限です。法定調書合計表・償却資産申告も同じ日が期限なので、1月の事務は重なります(年末調整と1月の提出物)。手引は提出先を次のように説明しています。
「給与支払報告書」は、原則として受給者の令和9年1月1日現在の住所地の市区町村に提出してください。なお、年の中途で退職した方については、退職時の住所地の市区町村に給与支払報告書を提出してください(退職した方に対する給与等の支払金額が30万円以下の場合は、提出を省略することができます。)。— 国税庁「令和8年分 給与所得の源泉徴収票等の法定調書の作成と提出の手引」3ページ
提出先は会社の所在地ではなく、従業員の住所地で決まります。従業員が3つの市区町村に住んでいれば、3つの市区町村にそれぞれ総括表と個人別明細書を出します。12月中に転居した人は転居後の住所、1月2日以後に転居した人は転居前(1月1日現在)の住所の市区町村が提出先です。
提出範囲(在職者・退職者)と源泉徴収票のみなし提出
提出範囲
| 受給者 | 給与支払報告書 | メモ |
|---|---|---|
| 1月1日現在在職(役員・パート・アルバイトを含む) | 全員提出 | 年収が少なくても、乙欄の人も提出 |
| 年の中途で退職し、その年の支払が30万円超 | 提出 | 退職時の住所地へ。普通徴収(退職者)で報告 |
| 年の中途で退職し、その年の支払が30万円以下 | 省略できる | 地方税法317条の6第3項ただし書 |
| 12月に退職した人 | 提出 | 1月1日に在職していないので退職者の扱い(支払30万円超なら提出) |
「年末調整をしていない」「年収が少ないから住民税はかからない」という理由で外すことはできません。住民税がかかるかどうかは市区町村が判断します。中途入社で前職分を合算して年末調整した人の個人別明細書の書き方は、個人別明細書で説明します。
令和8年分から:源泉徴収票のみなし提出
令和5年度の税制改正で、令和9年1月1日以後は、給与支払報告書を市区町村に提出すれば、給与所得の源泉徴収票を税務署に提出したものとみなされるようになりました(所得税法226条6項)。あわせて源泉徴収票の提出範囲が給与支払報告書と同じ範囲に広がっています。
令和9年1月1日以降、給与支払報告書を市区町村に提出した場合は、税務署に給与所得の源泉徴収票を提出したものとみなされるため、税務署に給与所得の源泉徴収票を提出する必要はありません(「源泉徴収票のみなし提出の特例」)。— 国税庁「令和8年分 法定調書の作成と提出の手引」3ページ
- 作る枚数: みなし提出なら、受給者交付用の源泉徴収票1枚と、市区町村提出用の給与支払報告書1枚の計2枚(手引12ページ)。税務署提出用は作りません
- 税務署に出しても市区町村には届かない: 源泉徴収票を税務署に出しても、給与支払報告書を出したことにはなりません(国税庁 みなし提出Q&A 問6)
- 本人への交付は従来どおり: 源泉徴収票は全員分を作って2027年2月1日まで(年の中途の退職者は退職の日以後1か月以内)に交付します
給与の支払しかない会社は、給与支払報告書を出せば法定調書合計表も不要になります。退職金・報酬・家賃などを払っていれば合計表は必要です(合計表の給与の欄が空欄になる場合)。
総括表の書き方と記入例
総括表は市区町村ごとに1枚作り、その市区町村に出す個人別明細書の表紙にします。第17号様式の記載要領に沿って、主な欄を整理します。
| 欄 | 書くこと(記載要領の要旨) |
|---|---|
| 指定番号 | 提出先の市町村が定める指定番号 |
| 給与の支払期間 | 報告人員に給与を支払った期間(例: 令和8年1月分から12月分まで) |
| 給与支払者の個人番号又は法人番号 | 法人は法人番号。個人番号を書く場合は左を1文字空ける |
| 代表者の氏名 | 法人の場合は経理責任者の職氏名 |
| 連絡者・関与税理士等 | 問い合わせに応じる人。税理士等が作成した場合はその氏名と電話番号 |
| 受給者総人員 | 1月1日現在、その事務所等から給与の支払を受けている人の総人員 |
| 特別徴収対象者 | この市町村に個人別明細書を出す人のうち、特別徴収の人員 |
| 普通徴収対象者(退職者) | 同じく普通徴収の人員のうち退職者 |
| 普通徴収対象者(退職者を除く) | 同じく普通徴収の人員のうち退職者以外 |
| 報告人員の合計 | 上の3つの合計 |
| 給与の支払方法及びその期日 | 月給・毎月25日など |
| 納入書の送付 | 市区町村から特別徴収の納入書を送ってほしいか(必要・不要) |
「受給者総人員」は、提出先の市区町村に住む人の数ではなく、その事務所等の1月1日現在の受給者の総数です。記載要領は提出先の市町村の住民に限っていないため、複数の市区町村に出す総括表では同じ数字が並ぶのが普通です。一方、特別徴収・普通徴収の人員と報告人員の合計は、その市区町村に出す個人別明細書の枚数と一致させます。
2027年1月1日現在の受給者は6人。A市に4人(役員、正社員2人、ほかに主たる勤務先があり乙欄で給与を払っているパート1人)、B市に2人(正社員)が住んでいる。2026年中に、A市に住んでいた社員Cが6月に退職(支払額 120万円)、B市に住んでいたアルバイトDが3月に退職(支払額 28万円)。
| 欄 | A市 | B市 |
|---|---|---|
| 受給者総人員 | 6 | 6 |
| 特別徴収対象者 | 3 | 2 |
| 普通徴収対象者(退職者) | 1 | 0 |
| 普通徴収対象者(退職者を除く) | 1 | 0 |
| 報告人員の合計 | 5 | 2 |
- A市の特別徴収3人は役員と正社員2人。乙欄のパートは主たる勤務先で特別徴収されるので普通徴収(摘要に「普B」)
- Cは退職時の住所地A市へ、普通徴収(退職者)として出す。退職済みの人の摘要に符号(普F)を書くかどうかは提出先の案内に従う
- Dは支払額が30万円以下なので省略できる。出す場合は退職時の住所地B市へ普通徴収(退職者)として出し、B市の報告人員に含める
eLTAX で出す場合も、総括表に当たる内容(指定番号・人数・連絡者など)を入力し、提出先ごとに作ります。人数を入力する欄は、個人別明細書の件数と合わないと市区町村から問い合わせが来る原因になります。
普通徴収にする場合の符号(普A〜普F)
給与所得者の住民税は特別徴収(給与から差し引いて会社が納める方法)が原則です。地方税法321条の3は給与所得者の住民税を「特別徴収の方法によつて徴収するものとする」とし、321条の4で、所得税を源泉徴収する義務のある給与の支払者を特別徴収義務者として指定するとしています。普通徴収(本人が納付書で納める方法)にできるのは、市区町村が認める理由がある場合だけです。
東京都内の区市町村などで使われている「普通徴収切替理由書」の符号は次のとおりです。
| 符号 | 普通徴収にする理由(東京都の様式) | 世田谷区の説明の例 |
|---|---|---|
| 普A | 総従業員数が2人以下(普B〜普Fに当たる人を、他の市区町村分も含めて差し引いた人数) | 同じ |
| 普B | 他の事業所で特別徴収 | 乙欄該当者等 |
| 普C | 給与が少なく税額が引けない(住民税非課税の場合など) | 年間の給与支払額が100万円以下 |
| 普D | 給与の支払が不定期(例: 毎月でない) | 同じ |
| 普E | 事業専従者(個人事業主のみ) | 同じ |
| 普F | 退職者又は退職予定者(5月末日まで) | 休職者(育児休業を含む)も含む |
この普通徴収切替理由書の提出がない場合、原則どおり、特別徴収対象者となります。— 東京都主税局「普通徴収切替理由書(兼仕切書(紙))」
表のとおり、普Cの金額や普Fに休職者を含めるかは市区町村によって説明が違います。世田谷区は理由書の提出は不要で、個人別明細書の摘要欄に符号を書けばよいとしています。紙で出すときに理由書を添えるか、摘要欄の符号だけでよいかも含めて、提出先の市区町村の案内で確かめます。
普Aの「2人以下」は、普B〜普Fに当たる人を除いた人数です。役員1人と正社員2人、乙欄のパート1人の会社は、パートを除くと3人なので普Aには当たりません。
個人別明細書の書き方と源泉徴収票との違い
個人別明細書の金額欄(支払金額・給与所得控除後の金額・所得控除の額の合計額・源泉徴収税額など)は、受給者交付用の源泉徴収票と同じです。年末調整の結果から源泉徴収票を作れば、そのまま給与支払報告書になります。各欄の値は源泉徴収票の作成ツール(令和8年分)で確かめられます。違うのは主に次の点です。
| 項目 | 受給者交付用の源泉徴収票 | 給与支払報告書(個人別明細書) |
|---|---|---|
| 受給者・扶養親族・支払者の個人番号 | 記載しない | 記載する |
| 16歳未満の扶養親族の個人番号 | 記載しない | 記載する(手引10ページ ㉔) |
| 普通徴収の符号 | ― | 摘要欄に普A〜普F |
| 退職手当等の支払を受ける一定の配偶者・扶養親族等 | ― | 摘要欄に氏名等(手引12ページ) |
16歳未満の扶養親族は所得税の扶養控除の対象ではありませんが、住民税の非課税限度額の判定に使われるため、氏名を「16歳未満の扶養親族」欄に書きます。扶養控除等申告書の「住民税に関する事項」欄の記載が抜けていないか、年末調整の段階で確かめておきます(扶養控除等申告書の確認)。
摘要欄によく書くもの
- 前職分の加算: 年の中途で就職した人について、前の勤務先の給与を合算して年末調整した場合は、前の支払者の住所・名称、退職した年月日、前職の支払金額・源泉徴収税額・社会保険料を書きます(手引12ページ ㉚(6))。前職分の扱いは中途入社の人は前職分を合算するを参照してください
- 中途就: 同じ年に同じ会社に入社して退職した人は、摘要欄に「中途就」と書き、「中途就・退職」の「退職」欄に○を付けて、年月日の欄には退職の日を書きます(手引 ㉚(9))
- 5人目以降の扶養親族: 控除対象扶養親族や16歳未満の扶養親族が5人以上いる場合、5人目以降を摘要欄に書きます(個人番号は備考欄)
eLTAX・書面での提出と、電子提出が義務になる場合
提出方法は eLTAX(地方税ポータルシステム)、光ディスク等、書面の3つです。手引は eLTAX の利点を次のように書いています。
eLTAXを利用すると、給与支払報告書のデータが、提出先の各市区町村に自動で振り分けて送信され、給与支払報告書の作成・提出に係るコストや事務負担が軽減されるため、是非eLTAXをご利用ください。— 国税庁「令和8年分 法定調書の作成と提出の手引」3ページ
eLTAX で出した給与支払報告書は、従業員が確定申告をするときのマイナポータル連携の対象になり、確定申告書に給与の情報が自動で入ります(国税庁 みなし提出Q&A)。eLTAX は無料のソフト PCdesk で使え、給与計算ソフトが出力する CSV を読み込んで、複数の市区町村分を一度に送れます。
eLTAX 等が義務になる場合の判定
前々年(基準年)に税務署に提出すべきだった給与所得の源泉徴収票の枚数が30枚以上なら、給与支払報告書を eLTAX または光ディスク等で出さなければなりません(地方税法317条の6第5項、手引4ページ)。注意したいのは、数えるのが給与支払報告書の枚数ではない点です。国税庁のQ&A(問9)は、令和9年1月1日以後も、改正前の提出範囲で税務署に提出すべきだった源泉徴収票の枚数で判定するとしています。
| 提出する年(年分) | 基準年 | 数える源泉徴収票 |
|---|---|---|
| 2027年=令和9年(令和8年分) | 2025年=令和7年(令和6年分を提出した年) | 令和6年分の提出範囲で税務署に出すべきだった枚数 |
| 2029年=令和11年(令和10年分) | 2027年=令和9年(令和8年分を提出した年) | みなし提出の分も含め、改正前の範囲に当てはめた枚数 |
改正前の範囲は、年末調整をした人なら役員150万円超、弁護士・税理士等250万円超、それ以外は500万円超、年末調整をしなかった乙欄・丙欄の人は50万円超などです(Q&A 問7の表)。Q&A 問9の例では、年末調整済み・支払600万円の給与支払報告書20枚と、支払40万円の乙欄の給与支払報告書15枚を出した場合、基準年の源泉徴収票は20枚と数え、電子提出の義務はないとしています。また、みなし提出で税務署に実際に出した源泉徴収票が0枚でも、「提出すべきであった源泉徴収票」は0枚にはなりません。
基準年において給与支払報告書を市区町村に提出したことにより税務署にはみなし提出となっている場合(=実際に税務署に提出した源泉徴収票としては0枚)であっても、「基準年に税務署に提出すべきであった源泉徴収票」は0枚とはなりませんのでご注意ください。— 国税庁「源泉徴収票等のみなし提出の特例に関するQ&A」問9
税務署へ出す法定調書(報酬・家賃の支払調書など)の e-Tax の義務は、法定調書の種類ごとに同じ30枚の基準で判定します(法定調書の提出方法)。
提出後の特別徴収・納付と退職者の届出
給与支払報告書をもとに、市区町村は5月31日までに特別徴収税額の決定通知書を会社と本人(会社経由)に送ります(地方税法321条の4第2項)。会社は、通知された年税額の12分の1を6月から翌年5月まで毎月の給与から差し引き、翌月10日までに納めます(321条の5第1項)。
通知された月割額は社員3人分で合計45,000円。6月25日の給与(総支給 900,000円、源泉所得税 22,000円、社会保険料 130,000円)を普通預金から払った。
| 日付 | 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|---|
| 6月25日 | 給料手当 | 900,000 | 預り金(住民税) | 45,000 |
| 預り金(源泉所得税) | 22,000 | |||
| 預り金(社会保険料) | 130,000 | |||
| 普通預金 | 703,000 | |||
| 7月10日 | 預り金(住民税) | 45,000 | 普通預金 | 45,000 |
住民税は従業員の住所地の市区町村ごとに納入書が分かれます。預り金の補助科目を市区町村ごとに分けておくと、納付漏れを残高で見つけられます。
通知書が届いたら、市区町村ごとの月割額を給与計算の控除額に登録し、通知書の人数・金額と照らします。給与支払報告書を出した後、4月1日現在で給与を受けなくなった人がいる場合は、4月15日までにその旨の届出書を市区町村に出します(地方税法317条の6第2項)。
納期の特例(常時10人未満)
給与の支払を受ける人が常時10人未満の事務所等は、市区町村長の承認を受けると、6月〜11月分を12月10日、12月〜翌年5月分を翌年6月10日にまとめて納められます(地方税法321条の5の2)。源泉所得税の納期の特例とは別の制度なので、市区町村ごとに申請します。源泉所得税の側は納付期限と納期の特例で解説しています。
退職・休職したとき:異動届と一括徴収
特別徴収している人が退職などで給与を受けなくなったときは、「給与所得者異動届出書」を、その事由が発生した月の翌月10日までに市区町村に出します(地方税法321条の5第3項、同法施行規則9条の24)。残りの税額の扱いは、退職の時期で次のように分かれます(321条の5第2項)。
| 退職などの時期 | 残りの月割額 |
|---|---|
| 6月1日〜12月31日 | 本人が退職した月の末日までに申し出て(施行規則9条の23)、5月31日までに残りの月割額の全額を超える給与・退職手当等の支払があるときは一括して徴収。そうでなければ普通徴収に切り替わる |
| 翌年1月1日〜4月30日 | 本人の申出がなくても、5月31日までに残りの月割額の全額を超える給与・退職手当等の支払があるときに限り一括して徴収 |
月割額 15,800円の社員が2027年2月28日に退職。2月25日の最後の給与(総支給 300,000円)から、2月分の15,800円と、3月〜5月分の3か月分 47,400円をあわせて63,200円を差し引く。源泉所得税・社会保険料は省略。
| 日付 | 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|---|
| 2月25日 | 給料手当 | 300,000 | 預り金(住民税) | 63,200 |
| 普通預金 | 236,800 | |||
| 3月10日 | 預り金(住民税) | 63,200 | 普通預金 | 63,200 |
6月分を6月の給与から差し引いている会社の例です。15,800 × 3 = 47,400円、15,800 + 47,400 = 63,200円。異動届には一括徴収した旨と金額を書き、3月10日までに出します。納期の特例の承認を受けている場合、納める日は特例の期日になります。
一括徴収できなかった残りの税額は、普通徴収に切り替わって本人が納めます(321条の7)。退職者が多い会社は、退職の手続のチェックリストに異動届を入れておくと漏れを防げます。
実務で間違えやすい点
- 会社の所在地の市区町村にまとめて出す: 地方税法317条の6第1項は、1月1日現在の住所所在の市町村別に作成して、その市町村長に提出するとしています。本社所在地の市区町村に全員分をまとめて出すことはできません
- 年収が少ない人・乙欄の人を出さない: 1月1日現在在職している人は金額にかかわらず全員分を出します。住民税がかかるかどうかは市区町村が判断します
- 退職者を1月1日の住所地に出す: 年の中途で退職した人の提出先は退職時の住所地です。退職後に転居していても、会社が把握している退職時の住所で出します
- 普通徴収の符号を書き忘れる: 摘要欄に符号がなければ原則として特別徴収の扱いになります。1月1日現在在職していて5月末日までに退職する予定の人(普F)は特に注意します
- 受給者総人員を提出先の住民の数にする: 総人員は事務所等の1月1日現在の受給者の総数です。報告人員の合計と区別します
- 給与支払報告書の枚数で eLTAX の義務を判定する: 判定するのは基準年の源泉徴収票の枚数(改正前の範囲)です。逆に、みなし提出だから0枚と数えるのも誤りです
- 源泉徴収票を税務署に出したから、給与支払報告書は不要と考える: 税務署に出しても給与支払報告書を出したことにはなりません(Q&A 問6)
年末調整の後に本人の申出などで再調整した場合は、給与支払報告書も再調整後の金額で作ります。提出済みなら、市区町村に訂正分(提出区分「訂正」)を出します。訂正・追加・取消を出すときは、総括表の報告人員にその人数を書くよう案内している市区町村もあります(船橋市など)。令和8年分の源泉徴収票の訂正は、給与支払報告書の訂正を市区町村に出すことで行います(訂正・追加の出し方)。
年末調整の年税額は年末調整の計算ツール、翌年度の住民税の目安は所得税・住民税の計算ツールで確かめられます。1月末までの期限の一覧は申告期限の計算ツールにまとめています。次は、同じ1月末が期限の償却資産申告の書き方もあわせて確認してください。
この記事の計算ができる無料ツール
ISZ™ 仕訳AI では
ISZ™ 仕訳AI は、毎月の給与計算と年末調整のデータから、給与支払報告書(個人別明細書)と市区町村ごとの総括表を作ります。
- 登録された住所で提出先の市区町村を分け、特別徴収・普通徴収の人数を総括表に集計
- eLTAX(PCdesk)に読み込める給与支払報告書の CSV を出力。登録した個人番号も入ります
- 令和8年分は、受給者交付用の源泉徴収票を全員分印刷(税務署提出用はみなし提出のため既定では作らない)
- 住民税の特別徴収額を毎月の給与から差し引き、預り金の仕訳と納付期限を管理
普通徴収にするかどうか、市区町村ごとの扱いは、税理士・経理担当者が確認して確定します。給与・申告の機能は無料、登録だけで証憑100枚まで無料で試せます(クレジットカード不要)。
よくある質問
令和8年分の給与支払報告書の提出期限はいつですか?
原則は1月31日ですが、2027年1月31日は日曜日のため、地方税法20条の5第2項により2027年2月1日(月)が期限です。国税庁の手引も「いずれの場合も令和9年2月1日(月)」としています。
給与支払報告書はどこの市区町村に出しますか?
1月1日現在在職している人は、その人の2027年1月1日現在の住所地の市区町村に出します。年の中途で退職した人は退職時の住所地の市区町村です。会社の所在地ではありません。
年の中途で退職した人の給与支払報告書は必要ですか?
その年の支払額が30万円を超えれば、退職時の住所地の市区町村に出します(地方税法317条の6第3項)。30万円以下なら省略できます。総括表では普通徴収対象者(退職者)として数えます。
令和8年分から源泉徴収票を税務署に出さなくてよいのですか?
給与支払報告書を市区町村に出せば、給与所得の源泉徴収票は税務署に出したものとみなされます(源泉徴収票のみなし提出の特例)。逆に源泉徴収票を税務署に出しても給与支払報告書を出したことにはなりません。本人への源泉徴収票の交付は従来どおり必要です。
普通徴収にするにはどうすればよいですか?
個人別明細書の摘要欄に、普通徴収にする理由の符号(普A〜普F)を書きます。書かなければ原則として特別徴収です。理由書の添付の要否や普Cの金額基準などは市区町村によって違うので、提出先の案内で確かめてください。
給与支払報告書を eLTAX で出さなければならないのはどんな場合ですか?
前々年(基準年)に税務署に提出すべきだった給与所得の源泉徴収票が30枚以上の場合です。枚数は給与支払報告書の枚数ではなく、改正前の提出範囲で数えた源泉徴収票の枚数です。みなし提出で実際の提出が0枚でも0枚とは数えません(国税庁Q&A 問9)。
受給者総人員には何人を書きますか?
第17号様式の記載要領では、1月1日現在その事務所等から給与の支払を受けている人の総人員です。提出先の市区町村に住む人だけの数ではありません。その市区町村に出す人数は、特別徴収・普通徴収の各欄と報告人員の合計に書きます。
出典
- e-Gov法令検索 地方税法(第20条の5・第317条の6・第321条の3〜第321条の7)
- e-Gov法令検索 地方税法施行規則(第9条の23・第9条の24・第10条、第17号様式(総括表)・同別表(個人別明細書)と記載要領)
- e-Gov法令検索 所得税法(第226条第6項:源泉徴収票のみなし提出、令和9年1月1日施行)
- 国税庁 令和8年分 給与所得の源泉徴収票等の法定調書の作成と提出の手引 第2章(給与所得の源泉徴収票・給与支払報告書)
- 国税庁 源泉徴収票等のみなし提出の特例に関するQ&A(令和8年4月)
- 東京都主税局 普通徴収切替理由書(兼仕切書(紙))
- 世田谷区 給与支払報告書の提出・特別徴収(普通徴収に該当する理由と符号)
- 江戸川区 eLTAX による給与支払報告書の提出(複数の地方公共団体への一括提出・PCdesk)
- 船橋市 給与支払報告書の訂正・追加・取消
更新履歴
- 2026/10/28: 公開
この記事は公表された法令・通達・国税庁などの資料にもとづく一般的な解説で、個別の税務相談に代わるものではありません。制度・料率は改定されることがあります。実際の申告・納付・給与計算では最新の資料をご確認のうえ、専門家にご相談ください。