この記事は、2026年11月5日時点の法令と、国税庁の「令和8年分 年末調整のしかた」「年末調整Q&A」、タックスアンサー No.1140・No.1141 をもとに、年末調整で生命保険料控除を扱うときに迷いやすい点をまとめたものです。23歳未満の扶養親族がいる場合の特例の細かい計算(新旧の両方があるときの比較など)は 年末調整で間違えやすいポイントの「生命保険料控除の特例」で詳しく解説しています。ここでは、どの保険が対象になるか、誰の控除になるか、保険料控除申告書にどう書くかを中心に扱います。
生命保険料控除の3つの区分と控除額(令和8年分)
生命保険料控除は、支払った保険料を「一般の生命保険料」「介護医療保険料」「個人年金保険料」の3つに分け、それぞれの控除額を合計します。さらに、平成24年1月1日以後に締結した契約(新契約)と、平成23年12月31日以前に締結した契約(旧契約)で計算式が違います。
| 区分 | 新契約(平成24年1月1日以後) | 旧契約(平成23年12月31日以前) |
|---|---|---|
| 一般の生命保険料 | 最高4万円(23歳未満の扶養親族がいる場合は最高6万円) | 最高5万円 |
| 介護医療保険料 | 最高4万円 | 区分なし(旧契約の医療保険などは一般に含める) |
| 個人年金保険料 | 最高4万円 | 最高5万円 |
| 3区分の合計の上限: 12万円 | ||
国税庁 No.1140 は、合計の上限について次のように説明しています。
以下の計算により算出した各控除額の合計額が生命保険料控除額となります。なお、この合計額が120,000円を超える場合には、生命保険料控除額は120,000円となります。— 国税庁 タックスアンサー No.1140「生命保険料控除」
各区分の計算式は次のとおりです。「支払保険料等」は、その年に支払った金額から、その年に受けた剰余金や割戻金を差し引いた残りの金額です(No.1140 注1)。控除額に1円未満の端数があるときは切り上げます(「年末調整のしかた」24ページ 注2)。
| 計算式Ⅰ(新契約) | 計算式Ⅱ(新契約の一般・23歳未満の扶養親族あり) | 計算式Ⅲ(旧契約) | |||
|---|---|---|---|---|---|
| 支払保険料等 | 控除額 | 支払保険料等 | 控除額 | 支払保険料等 | 控除額 |
| 2万円以下 | 全額 | 3万円以下 | 全額 | 2万5,000円以下 | 全額 |
| 2万円超4万円以下 | × 1/2 + 1万円 | 3万円超6万円以下 | × 1/2 + 1万5,000円 | 2万5,000円超5万円以下 | × 1/2 + 1万2,500円 |
| 4万円超8万円以下 | × 1/4 + 2万円 | 6万円超12万円以下 | × 1/4 + 3万円 | 5万円超10万円以下 | × 1/4 + 2万5,000円 |
| 8万円超 | 一律4万円 | 12万円超 | 一律6万円 | 10万円超 | 一律5万円 |
計算式Ⅱの「23歳未満の扶養親族」は、所得税法上の扶養親族(生計を一にする親族で、令和8年分は合計所得金額62万円以下の人など)のうち、その年の12月31日現在で23歳未満の人です。16歳未満の子も含みますが、就職やアルバイトで合計所得金額が62万円を超えた子は、23歳未満でも当たりません(租税特別措置法41条の15の5、所得税法2条1項34号。確認の表は年末調整で間違えやすいポイントの特例の表)。
同じ区分に新契約と旧契約の両方がある場合は、次のうち大きい方を控除額にします。
- 旧契約だけで計算した額(旧契約の支払保険料等が6万円を超えると、旧だけの方が有利になることが多い)
- 新契約と旧契約をそれぞれ計算して合計した額(最高4万円。23歳未満の扶養親族がいる場合の一般の生命保険料は最高6万円)
保険料の区分は、控除証明書に書かれた区分のとおりに分けます。国税庁は「新生命保険料を旧生命保険料に含めることや新個人年金保険料を介護医療保険料に含めることなど、支払った保険料の区分を他の区分に振り替えることはできません」としています(「年末調整のしかた」21ページ)。上限に届いた区分の保険料を、まだ余裕がある区分に移して控除を増やすことはできません。
対象になる保険・ならない保険
生命保険料控除の対象は、生命保険会社などと結んだ契約のうち、保険金等の受取人の全てが保険料を払う本人またはその配偶者その他の親族になっているものです(所得税法76条5項・6項)。国税庁 No.1141 は次のように説明しています。
保険金等の受取人のすべてをその保険料等の払込みをする方またはその配偶者その他の親族とするものをいいます。— 国税庁 タックスアンサー No.1141「生命保険料控除の対象となる生命保険契約等」
| 対象になるもの | 対象にならないもの(No.1141 の注・所得税法76条5項) |
|---|---|
| 生命保険会社・外国生命保険会社等と締結した、生存または死亡に基因して一定額の保険金等が支払われる保険契約 旧簡易生命保険契約 農業協同組合の生命共済契約など 確定給付企業年金の規約・適格退職年金契約 医療費支払事由に基因して保険金等が支払われる医療保険・介護保険(新契約は介護医療保険料) 要件を満たす個人年金保険(下の表) | 保険期間が5年未満の契約で、いわゆる貯蓄保険・貯蓄共済 外国生命保険会社等と国外で締結した契約 信用保険契約・傷害保険契約 財形貯蓄契約・財形住宅貯蓄契約・財形年金貯蓄契約 受取人に本人・配偶者・親族以外の人がいる契約 |
個人年金保険料として控除するのは、年金(退職年金を除く)を給付する契約のうち、次の3つの要件の定めがあるものです。対象かどうかは、保険会社から届く控除証明書の区分で確かめられます(No.1141)。
| 要件 | 内容(所得税法76条8項・No.1141) |
|---|---|
| 年金の受取人 | 保険料を払う本人またはその配偶者(親族は含まない) |
| 払込期間 | 年金の支払を受けるまでに10年以上の期間にわたって定期に支払う |
| 年金の支払 | 受取人が原則として満60歳になってから支払う、10年以上の定期または終身の年金 |
受取人の要件に当たるかどうかは、保険料を支払った時の現況で判定します(所得税基本通達76-1)。年の途中で受取人を親族以外の人に変えた場合は、変えた後に支払った保険料が対象外になります。
契約者と保険料を払った人が違うとき・家族の保険
生命保険料控除を受けられるのは、実際に保険料を支払った人です。契約者が誰かは要件になっていません。国税庁の「令和8年分 年末調整Q&A」は、次のように説明しています。
例えば、妻や子が契約者となっている生命保険契約等であっても、その妻や子に所得がなく、給与の支払を受ける夫がその保険料又は掛金を支払っている場合には、その保険料又は掛金は夫の生命保険料控除の対象となります。— 国税庁「令和8年分 年末調整Q&A」〔問8〕
控除証明書は契約者あてに届くため、妻名義の証明書を夫が会社に出すことになります。国税庁の質疑応答事例「妻名義の生命保険料控除証明書に基づく生命保険料控除」は、夫がその保険料を支払ったことを明らかにした場合は控除の対象として差し支えないとしています。
| 例 | 誰の控除になるか |
|---|---|
| 契約者 妻(所得なし)・被保険者 妻・満期保険金の受取人 妻・死亡保険金の受取人 夫、保険料は夫の口座から引落し | 夫(受取人が夫本人と配偶者なので要件を満たす) |
| 契約者 子(学生)・保険料は父が負担 | 父(受取人が本人・配偶者・親族であることが条件) |
| 契約者 夫・保険料は共働きの妻の口座から引落し | 妻(夫の年末調整では申告しない) |
1つの保険料は支払った人の控除になるものなので、夫婦がそれぞれの年末調整で同じ保険料を申告することはできません。証明書の名義だけで判断せず、引落し口座などで誰が払っているかを確かめます。
将来の保険金の課税にも関係します。質疑応答事例は「保険料を誰が負担するかによって、将来受け取る保険金の課税関係が異なる(贈与税又は一時所得として課税が生じる)ことに注意が必要です」と付け加えています。契約者と実際の負担者が違う状態が続いている場合は、保険金を受け取るときの課税も含めて、税理士・担当者が確認してください。
なお、23歳未満の扶養親族がいる場合の特例は、同じ世帯の夫婦の間に扶養親族である子が1人いるような場合、夫婦の両方が受けられます(「年末調整のしかた」22ページ)。子を扶養控除の対象にしていない方の配偶者でも、自分が支払った新生命保険料には計算式Ⅱを使えます。
「その年に支払った保険料」の数え方:前納・剰余金・会社負担
控除の対象は、その年中に実際に支払った保険料です。所得税基本通達76-3〜76-7 は、迷いやすい場合を次のように定めています。
| 場面 | その年に支払った金額 | 根拠 |
|---|---|---|
| 払込期日が来たが未払い | 含めない | 基通76-3(1) |
| 振替貸付けで保険料に充てた | その年に支払った金額に含める | 基通76-3(2) |
| 数年分を前納した | 前納した総額(割引後)× その年に到来する払込期日の回数 ÷ 払込期日の総回数 | 基通76-3(3) |
| 団体扱いで保険料が減額された | 減額後の額 | 基通76-3(4) |
| 剰余金・割戻金を受けた(保険料の払込みに充てた場合を含む) | 保険料の区分ごとに、支払った保険料の合計額から剰余金などの合計額を差し引く。新契約の剰余金を旧契約の保険料から差し引くことはしない | No.1140 注1・基通76-6・「年末調整のしかた」22ページ |
| 年の途中で解約した | 解約までに支払った保険料は控除できる。解約一時金や、解約時・解約後に受ける剰余金は原則として一時所得になり、保険料から差し引かない | No.1140 Q&A Q2 |
| 剰余金を保険会社に積み立てたまま | 積み立てた時に分配があったものとして差し引く | 基通76-7 |
| 会社(使用者)が負担した保険料 | 含めない。ただし本人の給与として課税されるべきものは、本人が支払ったものとして含める | 基通76-4 |
2026年4月に、月払い(払込期日は毎月)の保険料5年分を前納し、割引後の総額240,000円を支払った。2026年中に到来する払込期日は4月〜12月の9回。
2026年分の支払保険料: 240,000円 × 9回 ÷ 60回 = 36,000円
控除額(計算式Ⅰ): 36,000円 × 1/2 + 10,000円 = 28,000円
前納した年に240,000円の全額を申告するのではありません。翌年以後も、その年に到来する払込期日の分(12回なら48,000円)を毎年申告します。
会社が保険料を負担している契約にも注意します。役員・従業員を被保険者とし、受取人の全てが本人や遺族などの親族になっている契約で、会社が払った保険料を給与として課税している場合、給与として課税した部分だけは本人の生命保険料控除の対象になります。満期保険金の受取人が会社になっている契約は、受取人の要件を満たさないので、給与課税の有無にかかわらず対象外です。福利厚生費などで損金にしている部分は対象外です。会社の経理処理と、本人が保険料控除申告書に書く額が合っているかを確かめます。
保険料控除申告書の書き方と記載例
生命保険料控除は、年末調整のときに従業員から「給与所得者の保険料控除申告書」の提出を受けて行います。生命保険料の欄には、保険会社等の名称、保険等の種類・期間、契約者の氏名、保険金等の受取人(氏名・続柄)、新旧の区分、本年中に支払った保険料等の金額を、控除証明書を見ながら1契約ずつ書きます。
令和8年分の様式には、23歳未満の扶養親族の欄が加わっています。国税庁の記載例は次のように説明しています。
年齢23歳未満(平成16年1月2日以後生)の扶養親族を有する場合で一般の生命保険料(新保険料等に限ります。)の金額があるときは、「☆年齢23歳未満の扶養親族」欄に、その扶養親族の氏名、個人番号及び生年月日等を記載します— 国税庁「令和8年分 給与所得者の保険料控除申告書の記載例」
| 区分 | 新旧 | 支払保険料 | 計算 | 控除額 |
|---|---|---|---|---|
| 一般(養老保険) | 新 | 80,000 | 80,000 × 1/4 + 30,000(計算式Ⅱ) | 50,000 |
| 一般(養老保険) | 旧 | 35,000 | 35,000 × 1/2 + 12,500(計算式Ⅲ) | 30,000 |
| 一般の控除額 | 50,000 + 30,000 = 80,000 → 最高60,000 | 60,000 | ||
| 介護医療 | ― | 80,000 | 80,000 × 1/4 + 20,000(計算式Ⅰ) | 40,000 |
| 個人年金 | 新 | 30,000 | 30,000 × 1/2 + 10,000 | 25,000 |
| 個人年金 | 旧 | 90,000 | 90,000 × 1/4 + 25,000 | 47,500 |
| 個人年金の控除額 | 新旧合計 72,500 → 最高40,000 と、旧だけの 47,500 の大きい方 | 47,500 | ||
| 生命保険料控除額 | 60,000 + 40,000 + 47,500 = 147,500 → 最高120,000 | 120,000 | ||
個人年金保険料は旧契約の支払額が6万円を超えるため、旧だけで計算した47,500円の方が新旧合計の上限4万円より大きくなります。一般の生命保険料は、23歳未満の扶養親族がいるので新旧合計(最高6万円)を使います。
新生命保険料 96,000円、介護医療保険料 36,000円、旧個人年金保険料 120,000円を支払った人。
| 区分 | 23歳未満の扶養親族なし | 23歳未満の扶養親族あり |
|---|---|---|
| 一般(新)96,000円 | 40,000(8万円超は一律) | 54,000(96,000 × 1/4 + 30,000) |
| 介護医療 36,000円 | 28,000(36,000 × 1/2 + 10,000) | 28,000 |
| 個人年金(旧)120,000円 | 50,000(10万円超は一律) | 50,000 |
| 合計 | 118,000 | 132,000 → 120,000 |
特例で一般の控除額は14,000円増えますが、合計が12万円で頭打ちになるため、控除額の増加は2,000円です。他の区分で上限近くまで控除している人は、特例の効果が小さくなります。
各欄の金額は 保険料控除申告書の計算ツールで、保険料を入れて23歳未満の扶養親族の有無を切り替えると確かめられます。上の計算例2・3は、このツールと同じ計算で確かめています。年税額への影響は 年末調整の計算ツールで確認できます。
控除証明書が必要なもの・年末調整に間に合わないとき
保険料控除申告書には、原則として保険会社などが発行する控除証明書(または電子的控除証明書等から作った書面・データ)を添付するか、提示を受けます。必要かどうかは区分と金額で決まります。
旧生命保険料にあっては、本年中に支払った一契約の保険料の金額(…)が9,000円を超えるものについて、また、旧生命保険料以外の保険料にあっては、金額の多少にかかわらず全てのものについて、その保険料を支払ったこと等の証明書類…を保険料控除申告書に添付して提出又は提示する必要があります。— 国税庁「令和8年分 年末調整のしかた」22ページ
- 旧生命保険料(旧契約の一般の生命保険料)で、1契約の年間保険料(剰余金などを差し引いた残額)が9,000円以下: 証明書は不要(申告書への記載は必要)。旧個人年金保険料はこの扱いの対象ではありません
- 旧生命保険料以外(新生命保険料・介護医療保険料・新旧の個人年金保険料): 金額にかかわらず証明書が必要
- 勤務先の団体特約(給与からの天引き)で払った保険料: 支払額・契約者・受取人に誤りがないことを勤務先で確認すれば、証明書は不要です。確認したことを保険料控除申告書などに書いておきます(同22〜23ページ)
- 証明書を紛失・交付を請求中: 翌年1月末日までに提出または提示することを条件に、控除して年末調整を行ってもよいとされています(同22ページ)。期限までに出てこなければ控除を外して再調整するか、本人が確定申告します
年末調整の後に控除証明書が見つかった場合は、源泉徴収票を交付する翌年1月末日までなら年末調整のやり直し(再調整)ができます。手順は 年末調整の後の再調整を参照してください。源泉徴収票を交付した後で間に合わないときは、本人が確定申告で生命保険料控除を受けます。
保険料控除申告書を電子データで提供する仕組みなら、証明書類の代わりに、保険会社の電子証明書等が付いた控除証明書等データを申告書と併せて提供できます(同22ページ)。書面の控除証明書を使う場合は、申告書をスマートフォンで集めるときも、原本(または控除証明書等データから作った QR コード付きの書面)を会社に渡してもらいます。集め方は 年末調整をスマホで集める方法で紹介しています。
実務で間違えやすい点
- 証明書の名義で控除する人を決める: 控除する人は契約者ではなく保険料を払った人です。共働きの夫婦で、夫名義の保険料を妻の口座から払っている場合、夫の年末調整で申告すると誤りになります
- 受取人を確かめずに控除する: 受取人に親族以外の人がいる契約は対象外です。個人年金保険は、年金の受取人が本人または配偶者に限られ、子は含まれません
- 区分の取り違え: 旧契約(平成23年12月31日以前)の医療保険・介護保険は介護医療保険料ではなく、旧の一般の生命保険料です(No.1140)。また、上限に届いた区分から別の区分へ保険料を振り替えることはできません。個人年金保険に付いている傷害特約・疾病特約の保険料は、個人年金保険料に含めません(「年末調整のしかた」22ページ 注意事項6)
- 前年の申告書をそのまま写す: 令和8年分は23歳未満の扶養親族がいる人の計算が変わり、旧契約が6万円を超えていても新旧合計の方が有利になる場合があります(計算例)。保険の解約・払込満了で保険料が変わっていることもあるので、毎年その年の控除証明書で書きます
- 前納・剰余金をそのまま申告する: 前納は年ごとに按分した額、剰余金・割戻金は差し引いた額です。控除証明書の「証明額」が按分・差引き後の額になっているかを確かめます
- 23歳未満の子がいれば特例と考える: 特例の対象は扶養親族に当たる子です。年の途中で就職して合計所得金額が62万円を超えた子は、23歳未満でも計算式Ⅱの理由になりません。扶養控除等申告書の内容と合わせて確かめます
- 会社負担の保険料を本人の控除に入れる: 会社が負担し給与として課税していない保険料は、本人の控除の対象になりません
生命保険に入っていない人は、保険料控除申告書の生命保険料の欄を書く必要はありません。保険料控除申告書は控除を受けるための申告書なので、地震保険料や本人が支払った社会保険料(国民年金保険料など)、小規模企業共済等掛金もなければ、提出しなくても年末調整はできます。
住民税(個人住民税)の生命保険料控除は、所得税とは別の計算式で、新契約の各区分は最高2万8,000円、3区分の合計の上限は7万円です(地方税法314条の2第1項5号)。23歳未満の扶養親族がいる場合の特例は所得税(租税特別措置法)のもので、地方税法の生命保険料控除には同じ規定がないため、所得税の控除額が増えても住民税の控除額は変わりません。住民税の控除額は、給与支払報告書をもとに市区町村が計算します。給与支払報告書の出し方は 給与支払報告書の提出で解説しています。
次に読む記事は、年末調整の全体の手順を扱う 年末調整のやり方と、扶養控除・配偶者控除・中途入社の確認点をまとめた 年末調整で間違えやすいポイントです。控除額の一覧は 所得税と年末調整の主な所得控除にあります。
この記事の計算ができる無料ツール
ISZ™ 仕訳AI では
ISZ™ 仕訳AI は、給与計算から年末調整・源泉徴収票の作成まで同じ画面で行えます。
- 控除証明書の支払保険料を一般・介護医療・個人年金の新旧の区分のまま入れると、令和8年分の計算式(23歳未満の扶養親族がいる場合の計算式Ⅱを含む)で保険料控除申告書の各欄の控除額を計算
- 入力した扶養親族の生年月日から、12月31日現在で23歳未満かを表示
- 従業員が保険料をスマートフォンで入力して会社に送れる申告書の回収
- 年税額・過不足額の精算と源泉徴収票・給与支払報告書の作成
控除の対象になる保険かどうか、誰が支払ったかの確認と年末調整の確定は、税理士・経理担当者が行います。年末調整の機能は無料(期限なし)。AI の機能(読み取りなど)には有効な AI 枠(AI仕訳処理件数)が必要で、無料登録でAI枠100枚つき(1か月有効)・クレジットカード不要。
よくある質問
妻が契約者の生命保険を夫が払っています。夫の年末調整で控除できますか?
できます。生命保険料控除は保険料を支払った人が受けるもので、契約者が誰かは要件ではありません。受取人の全てが夫本人・配偶者・親族であれば、夫の控除の対象です(国税庁 年末調整Q&A 問8)。控除証明書は妻あてでも、夫が払ったことが分かればそのまま使えます。
生命保険に入っていない人も保険料控除申告書を出す必要がありますか?
生命保険料控除を受けないなら、生命保険料の欄は空欄でかまいません。地震保険料や本人が払った国民年金保険料などの控除もなければ、保険料控除申告書を出さなくても年末調整はできます。
子ども名義の学資保険を親が払っています。控除の対象になりますか?
親が保険料を支払い、受取人の全てが親本人・配偶者・親族であれば、親の生命保険料控除(一般の生命保険料)の対象です。ただし保険期間が5年未満の貯蓄保険は対象外です。
旧契約の医療保険は介護医療保険料に入れますか?
入れません。平成23年12月31日以前に締結した契約の医療保険・介護保険の保険料は、旧生命保険料(一般の生命保険料)として計算します(国税庁 No.1140)。介護医療保険料の区分は新契約だけです。
5年分を前納した保険料は、払った年に全額控除できますか?
できません。前納した総額(割引後)に、その年に到来する払込期日の回数を掛け、払込期日の総回数で割った額が、その年の支払保険料です(所得税基本通達76-3(3))。翌年以後も毎年その年の分を申告します。
控除証明書が年末調整に間に合いません。
翌年1月末日までに提出または提示することを条件に、控除して年末調整を行ってもよいとされています。年末調整の後に見つかった場合は、源泉徴収票を交付する翌年1月末日までなら再調整、それより後は本人が確定申告で控除を受けます。
夫婦で同じ子を扶養している場合、23歳未満の扶養親族の特例は片方だけですか?
同じ世帯の夫婦の間に23歳未満の扶養親族である子がいる場合、夫婦の両方が特例(計算式Ⅱ・最高6万円)を受けられます(国税庁「年末調整のしかた」22ページ)。それぞれ自分が支払った新生命保険料について計算します。
出典
- 国税庁 タックスアンサー No.1140 生命保険料控除(令和8年4月1日現在法令等)
- 国税庁 タックスアンサー No.1140 生命保険料控除 Q&A(Q1 契約者と支払者・Q3 判定の時期)
- 国税庁 タックスアンサー No.1141 生命保険料控除の対象となる生命保険契約等
- 国税庁 令和8年分 年末調整のしかた 21〜28ページ(保険料控除)
- 国税庁 令和8年分 年末調整Q&A(問7・問8)
- 国税庁 令和8年分 給与所得者の保険料控除申告書の記載例
- 国税庁 質疑応答事例 妻名義の生命保険料控除証明書に基づく生命保険料控除
- 国税庁 所得税基本通達 76-1〜76-8(生命保険料控除)
- e-Gov法令検索 所得税法(第76条 生命保険料控除)
- e-Gov法令検索 租税特別措置法(第41条の15の5 年齢23歳未満の扶養親族を有する場合の生命保険料控除の特例)
- e-Gov法令検索 地方税法(第314条の2 所得控除)
更新履歴
- 2026/11/05: 公開
この記事は公表された法令・通達・国税庁などの資料にもとづく一般的な解説で、個別の税務相談に代わるものではありません。制度・料率は改定されることがあります。実際の申告・納付・給与計算では最新の資料をご確認のうえ、専門家にご相談ください。