このツールで計算するもの(2年目以降の年末調整)
住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)は、最初の年分は本人が確定申告で受け、2年目以降は勤務先の年末調整で受けられます。年末調整では、税務署から届く「給与所得者の住宅借入金等特別控除申告書」(下の部分が「年末調整のための住宅借入金等特別控除証明書」)に控除額などを書き、金融機関の「住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書」と一緒に勤務先へ出します。調書方式(金融機関が税務署に年末残高調書を出す方式)なら年末残高等証明書の添付はいりません(国税庁「令和8年分 年末調整のしかた」29〜30ページ)。
このツールは、その申告書の控除額の欄までを計算します。勤務先は申告書の控除額を源泉徴収簿の「住宅借入金等特別控除額㉔」欄に写し、算出所得税額㉓から引きます(同 38〜39ページ)。
| 居住開始年 | 申告書の様式 | 控除額の欄 |
|---|---|---|
| 平成29年・平成30年 | 給与所得者の(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書 | ⑭(⑪ × 1%) |
| 令和元年〜令和3年(特別特例取得は令和4年まで) | 給与所得者の(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書 兼 計算明細書 | ⑧(⑤ × 1%) |
| 令和4年〜令和7年 | 給与所得者の住宅借入金等特別控除申告書 兼 計算明細書 | ⑥(⑤ × 0.7%) |
平成28年以前に居住した人は、10年の控除期間が令和7年分で終わっています。令和8年に居住を始めた人は、令和8年分を確定申告で受けます。
控除額の計算の順序
年末残高の合計額は、次の⑴〜⑶の順に計算します。2つ以上に当たるときも、この順です(同 33〜34ページ)。
- 連帯債務: 連帯債務の年末残高 × あなたが負担すべき割合(最初の年の確定申告の「計算明細書」の割合。平成31年(令和元年)分以後の居住の人に令和2年10月以後に送られた控除証明書には記載があります)。単独債務の分はそのまま足します
- 取得対価の額が上限: 年末残高が家屋(土地等)の取得対価の額を超えるときは、取得対価の額まで。取得対価の額は、補助金等の額や住宅取得等資金の贈与の特例を受けた額を引いた後の金額です
- 居住用割合: 店舗併用住宅などは、床面積のうち居住用部分の割合を掛けます。割合が90%以上なら100%です(記載例の③欄の説明)
こうして求めた④欄の合計(⑤欄)に借入限度額を当てはめ、控除率(1%または0.7%)を掛けて、100円未満を切り捨てます。「住宅及び土地等」の借入金で、家屋と土地等の居住用割合が違うときは、次の i と ii の合計を④欄(平成30年以前の様式は⑤欄)に書きます。
i = ③の金額 × 家屋の取得対価 ÷(家屋+土地等の取得対価)× 家屋の居住用割合
ii = ③の金額 × 土地等の取得対価 ÷(家屋+土地等の取得対価)× 土地等の居住用割合
控除限度額等の一覧(令和8年分の年末調整)
令和3年12月31日まで(特別特例取得は令和4年12月31日まで)に居住した場合
| 住宅・取得の区分 | 借入限度額 | 控除率 | 各年の控除限度額 |
|---|---|---|---|
| 一般の住宅・特定取得(特別特定取得・特別特例取得を含む) | 4,000万円 | 1% | 40万円 |
| 一般の住宅・特定取得以外 | 2,000万円 | 1% | 20万円 |
| 認定住宅・特定取得(同上) | 5,000万円 | 1% | 50万円 |
| 認定住宅・特定取得以外 | 3,000万円 | 1% | 30万円 |
控除期間は10年(特別特定取得・特別特例取得は13年)。特別特定取得の11〜13年目は計算が変わりますが、最も早い令和元年10月の居住でも令和8年分は8年目なので、このツールでは扱いません。「特定取得」は住宅の対価に含まれる消費税等の税率が8%・10%の場合で、個人から買った中古住宅などは「特定取得以外」です。
令和4年1月1日以後に居住した場合(控除率0.7%)
| 住宅の区分(新築・買取再販) | 令和4・5年居住 | 令和6・7年居住 | うち特例対象個人 |
|---|---|---|---|
| 認定住宅(長期優良・低炭素) | 5,000万円 | 4,500万円 | 5,000万円 |
| ZEH水準省エネ住宅 | 4,500万円 | 3,500万円 | 4,500万円 |
| 省エネ基準適合住宅 | 4,000万円 | 3,000万円 | 4,000万円 |
| その他の住宅 | 3,000万円 | 2,000万円(10年。令和5年12月31日までの建築確認・令和6年6月30日までの建築に限る) | |
新築・買取再販の控除期間は13年です。既存住宅(買取再販を除く中古住宅)と増改築等は、認定住宅・ZEH・省エネ基準適合住宅が3,000万円、その他が2,000万円で、控除期間は10年です。各年の控除限度額は借入限度額 × 0.7%(3,000万円なら21万円)です(同 32〜33ページ〔参考〕控除限度額等の一覧表)。
特例対象個人は、令和6・7年に居住した年の12月31日に、40歳未満で配偶者がいる人、40歳以上で40歳未満の配偶者がいる人、19歳未満の扶養親族がいる人です(国税庁 No.1211-1)。上乗せを受けたかどうかは、控除証明書の借入限度額・控除限度額で確かめられます。
合計所得金額の要件
控除はその年の合計所得金額が次の金額以下の年だけ受けられます。年ごとに判定するので、給与以外の所得がある人は特に注意します(同 30〜31ページ)。
- 令和4年以後の居住: 2,000万円
- 令和3年以前の居住(特別特例取得を含む): 3,000万円
- 床面積40㎡以上50㎡未満(特例居住用家屋・特例認定住宅等・特例特別特例取得): 1,000万円
連帯債務・借換え・繰上返済のとき
連帯債務(夫婦で1本のローン)
連帯債務の年末残高に、あなたの負担割合を掛けた額で計算します。年末調整では、申告書の「備考」欄に、もう一人の連帯債務者から「私は連帯債務者として、住宅借入金等の残高○○○円のうち、○○○円を負担することとしています。」という文言と住所・氏名(給与所得者なら勤務先の所在地・名称も)を書いてもらいます。負担割合が書かれた控除証明書を付けるときは、この記載はいりません(同 33ページ)。夫婦それぞれが別々に借りるペアローンは連帯債務ではなく、それぞれが自分の借入金だけで計算します。
借換え
借換えによる新たな住宅借入金等の当初金額が、借換え直前の当初住宅借入金等残高を上回るときは、「本年の年末残高 × 借換え直前の当初住宅借入金等残高 ÷ 借換えによる新たな住宅借入金等の当初金額」を年末残高とします。上回らなければ、そのままの年末残高です(同 31ページ)。
繰上返済・返済の遅延
控除証明書の「年末残高情報」や予定額による年末残高等証明書で控除を受けた後、繰上返済などで実際の年末残高が違うことになった場合は、実際の年末残高で正しい申告書を出し直します。調書方式なら返済計画表などで実際の残高を確かめ、証明書方式なら金融機関から実際の額の年末残高等証明書をもらい直します(同 31ページ)。
控除額が所得税より多いとき(住民税からの控除)
年末調整では、算出所得税額㉓までしか控除できません。引ききれない額があるときは、源泉徴収票の「住宅借入金等特別控除可能額」欄に控除額㉔を書きます(同 39ページ)。引ききれない額は、翌年度の個人住民税(所得割)から市区町村が控除します。上限は次のとおりで、本人の手続はいりません。
| 居住開始 | 住民税の控除限度額 |
|---|---|
| 平成26年4月〜令和3年12月(特定取得・特別特定取得・特別特例取得) | 所得税の課税総所得金額等の7%(最高136,500円) |
| 令和4年1月以後(特別特例取得を除く)、特定取得以外 | 所得税の課税総所得金額等の5%(最高97,500円) |
令和8年度分の住民税から、令和7年12月以前に居住した人は、課税総所得金額等に「所得税の基礎控除 − 48万円」を加えて控除限度額を計算するなどの調整があります(各市区町村の案内)。正確な額は市区町村の通知で確かめてください。このツールは「引ききれない額と最高額の少ない方」を上限の目安として表示します。
証明書がない・なくしたとき
住宅借入金等特別控除申告書と控除証明書は、2年目の10月〜11月ごろに、控除を受ける各年分がまとめて税務署から本人に送られます(e-Tax で交付を希望した人は毎年メッセージボックスへ)。なくしたときは、本人が住所地の税務署に再交付を申請します(同 29〜30ページ)。年末調整に間に合わなければ、勤務先の年末調整では受けずに、本人が確定申告で控除を受けられます。年末調整の後に申告書が出てきた場合でも、源泉徴収票を交付する翌年1月末日までなら、その申告書で年末調整をやり直せます(同 43ページ)。
令和8年度税制改正との関係
令和8年度税制改正で、住宅ローン控除の適用期限は令和12年12月31日の入居分まで5年延長され、省エネ性能の高い既存住宅の借入限度額の引上げと控除期間の13年への拡充、床面積40㎡以上の緩和の既存住宅への拡大、令和10年以後に入居する災害レッドゾーンの新築住宅の除外などが決まりました(国土交通省 住宅税制)。これらは令和8年以後に居住した人のためのもので、その人たちは令和8年分を確定申告で受けます。令和8年分の年末調整で控除を受けるのは令和7年以前に居住した人なので、このツールの計算(上の一覧表)は変わりません。
国税庁の記載例で検算
「給与所得者の住宅借入金等特別控除申告書兼住宅借入金等特別控除計算明細書の記載例」(令和8年分)の3件を入れると、記載例と同じ控除額になります。
| 記載例 | 控除額 |
|---|---|
| 記載例1: 平成30年居住(特定取得)・住宅及び土地等・連帯債務 36,000,000円 × 50% = 18,000,000円、取得対価 22,500,000円、居住用割合100% → ⑪ 18,000,000円 × 1% | 180,000円 |
| 記載例2: 令和3年居住(特別特定取得)・連帯債務 39,500,000円 × 50.00% = 19,750,000円、取得対価 23,500,000円 → ⑤ 19,750,000円 × 1%(最高40万円) | 197,500円 |
| 記載例3: 令和7年居住・省エネ基準適合住宅・新築・連帯債務 39,500,000円 × 50.00% → ⑤ 19,750,000円 × 0.7% = 138,250円 → 100円未満切捨て(最高21万円) | 138,200円 |
この計算は、本ページの計算と同じ関数でビルド時に求めた値です。
よくある質問
住宅ローン控除額が年末調整の所得税より多いときはどうなりますか?
年末調整では算出所得税額までしか控除できず、年調所得税額は0円になります。引ききれない額は、翌年度の住民税(所得割)から市区町村が控除します。上限は所得税の課税総所得金額等の5%(最高97,500円)で、平成26年4月〜令和3年12月に特定取得で居住した人などは7%(最高136,500円)です。勤務先は源泉徴収票の「住宅借入金等特別控除可能額」欄に控除額を書きます。
夫婦の連帯債務のとき、申告書の年末残高はどう書きますか?
令和元年以後に居住した人の申告書は、①欄に連帯債務も含めた年末残高を書き、②欄で「単独債務の額+連帯債務の額×連帯債務割合」を計算します。平成30年以前の様式は、あなたの負担部分(連帯債務の年末残高×負担割合)を①欄に書きます。負担割合は最初の年の確定申告の計算明細書の割合で、備考欄にもう一人の連帯債務者の記載を受けます(割合が書かれた控除証明書を付けるときは不要)。
借換えをした場合の年末残高は?
借換えによる新たな借入金の当初金額が、借換え直前の当初住宅借入金等残高を上回るときは、本年の年末残高 × 借換え直前の残高 ÷ 新たな借入金の当初金額を年末残高とします。上回らなければ年末残高をそのまま使います。控除期間は借換え前の住宅の居住開始年から数えます。
繰上返済をしたら、控除証明書に印字された控除額のままでよいですか?
よくありません。調書方式の控除証明書に印字された年末残高・控除額は見込額です。繰上返済や返済の遅延で実際の年末残高が違う場合は、返済計画表などで実際の年末残高を確かめ、その金額で控除額を計算し直して申告書を出します。証明書方式なら、実際の額の年末残高等証明書を金融機関からもらい直します。
控除証明書や申告書をなくした・届いていないときは?
本人が住所地の税務署に再交付を申請します。申告書と控除証明書は2年目の10〜11月ごろに各年分がまとめて送られます(e-Tax で交付を希望した人は毎年メッセージボックス)。年末調整に間に合わなければ、本人が確定申告で住宅ローン控除を受けられます。年末調整後に提出された場合も、源泉徴収票を交付する翌年1月末日までなら年末調整をやり直せます。
1年目(入居した年)も年末調整で受けられますか?
受けられません。最初の年分は、本人が確定申告で「住宅借入金等特別控除額の計算明細書」と必要書類を出して受けます。年末調整で受けられるのは2年目以降で、令和8年分の年末調整なら令和7年以前に居住を始めた人です。令和8年に入居した人は、令和9年2〜3月の確定申告で令和8年分を受けます。
控除額に端数があるときは?
控除額の100円未満の端数は切り捨てます。例えば年末残高等 19,750,000円 × 0.7% = 138,250円なら、控除額は138,200円です(国税庁の記載例3)。
出典
- 国税庁 令和8年分 年末調整のしかた(PDF。29〜34ページ「住宅借入金等特別控除申告書の受理と内容の確認」・〔参考〕控除限度額等の一覧表、38〜39・43ページ)
- 国税庁 給与所得者の住宅借入金等特別控除申告書兼住宅借入金等特別控除計算明細書の記載例(令和8年分。記載例1〜3)(PDF)
- 国税庁 各種申告書・記載例(年末調整)
- 国税庁 No.1211-1 住宅の新築等をし、令和4年以降に居住の用に供した場合(住宅借入金等特別控除)
- 国税庁 住宅ローン控除の適用に係る手続(年末残高調書を用いた方式)について
- 国土交通省 住宅税制(令和8年度税制改正 住宅ローン減税)
- 北九州市 個人住民税の住宅借入金等特別税額控除(控除限度額・令和8年度からの加算)
- 計算方法の解説(ISZ GROUP): 所得税と年末調整の計算方法(令和8年分)— 給与所得控除・基礎控除・年収の壁
- 計算方法の解説(ISZ GROUP): 年末調整のやり方(令和8年分)— 無料登録から申告書の回収・確定・源泉徴収票・給与支払報告書まで画面で解説
- 計算方法の解説(ISZ GROUP): 年末調整で間違えやすいポイント(令和8年分)— 生命保険料控除の特例・扶養・中途入社・再調整
- 計算方法の解説(ISZ GROUP): 所得と控除の入れ方 — 医療費・ふるさと納税・住宅ローン控除・源泉徴収(ISZ 仕訳AI)
更新履歴
- 2026/11/04: 公開(令和8年分の住宅借入金等特別控除申告書の控除額。平成29年〜令和7年の居住、連帯債務・借換え・居住用割合。国税庁の記載例3件と一致を確認)
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